5月5日、5月4日に閉幕した世界国・地域別男女混合対抗戦スディルマン杯(中国・厦門)から、日本代表が帰国した。空港で、大堀均ヘッドコーチ、男女キャプテンが取材に対応。ここでは大堀均ヘッドコーチのコメントを紹介する。
大堀均ヘッドコーチ
――大会を振り返ってください
正直に言うと、結果は(最大目標だった優勝に届かず)少し残念な思いが強かったです。ただ、選手たちは、今やれるベストの力を発揮する努力をしてくれたので、非常にすばらしいゲーム、ねばり強いゲームもありました。そういう意味では、感動的な3位とも言えるのかもしれません。
――グループリーグ第3戦のマレーシア戦は、0-2からの大逆転。あの試合では、選手たちにどのように声をかけましたか
「ワンフォーオール、オールフォーワン(一人はみんなのために、みんなは一人のために)」が我々のスローガンでもあったので、あのゲームが始まる前は、そういう気持ちで戦っていこうと。試合に出る人は、準備段階で、まずは今できるベストを尽くそう。その上で、目の前の1本1本を大事に戦おう。応援する人たちは、戦っている選手に1本取らせてあげる気持ちで頑張ろうと。ありきたりの言葉ですけど、そういう声掛けをしながら戦っていました。
――今大会の収穫は?
ベテラン選手、若手の選手が、それぞれの場所ですばらしいゲームをして、力を発揮してくれたと思います。日本人らしさというか、最後まで諦めない、ねばり強いプレーも随所で発揮してくれました。特に言うならば、マレーシア戦のホキコバ(保木/小林)のマッチポイントを取られてからの大逆転。若手でも宮崎(友花)選手が、マレーシア戦で0対2となって、かなりプレッシャーがかかるところでストレート勝ち。要所でそれぞれが力を発揮してくれて、非常に大きな収穫を得られたと思っています。
――8月には世界選手権が控えているが、どんな準備をしていきたいですか
今回もたくさんのファンの皆さんに応援していただいて、非常に力になっていました。世界選手権もまた、たくさんのファンの皆さんに応援してもらえると信じていますし、世界選手権では、すべての種目でメダルを獲得できるように、気を引き締めて頑張っていきたいと思います。
――今大会は、五十嵐有紗選手が2種目で起用されましたが、どのようなねらいでしたか
五十嵐選手が(経験の多い)ミックスダブルスで力を発揮してくれるだろうという前提で、試合に出てもらいました。緑川(大輝)選手が、五十嵐選手と組むことで、世界のトップとの戦いを感じてほしいという思いもありましたし、(普段、緑川と組んでいる)齋藤夏選手には、そういう姿を見て、どんどん(刺激を)吸収してほしいと思っていました。合宿を通して、全員で一緒に練習をしてきたので、そういう意味では(混合複のトップ選手だった五十嵐を、今の混合複の選手たちと一緒に練習をさせたことで)全体のスキルアップにも効果があったのではないかと思っています。
――五十嵐選手を女子ダブルスでも起用した理由は?
本来、大会には20人までエントリーできるのですが、諸事情があって、今回は16人しか派遣できませんでした。体調不良や負傷も出てきますが、その時々のベストをめざすしかありません。そういうところでの女子ダブルスでの起用でした。
――元々予定していなかった起用法だった?
予定してなかったです。でも、しっかりとやってくれました。
――若手選手も主にグループリーグで活躍しましたが、準々決勝、準決勝と大事な戦いは、経験のある選手に任せる形にもなりました。若手にはどんな経験をさせたかった?
各種目の担当コーチと話して、最終的には私が結論を出して、オーダーは決めています。最終的には、準々決勝、準決勝は、経験豊富な選手を起用させてもらいました。本当は(若手も重要な試合で)コートに立って経験するのが一番いいでしょうけど、今回は、日の丸を背負って戦う苦しさ、すばらしさを先輩たちがコートで見せてくれたと私は思っています。若い選手は、それを目のあたりにして、一緒の空間で一緒に戦おうとすることによって、次の大会は、次こそは自分がという気持ちになってくれたのではないかと思いますし、そういう意味では(若手にも)効果はあったかなと思っています。
――世界選手権で全種目メダル獲得という目標への距離感は?
私は、全種目、メダルに絡めるポジションにいると思っています。今回、帰って来るときに(選手にも)ここにいる人たちで全部取りにいけよと話しました。ただ、もちろん、課題は各々にあります。(その課題に対しては)今年は(代表チームでの練習メニューを)画一的にやるということを、あまりやっていません。それぞれにコーチ、トレーナーがいるので、相談しながら、この選手はこういうトレーニングをしましょう、これが今必要でしょうと、コンディショニングも含めて、個別の対応を始めています。
構成/編集部