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【世界選手権2023】奥原がライバルのシンドゥに2-0で完勝! 緑川&齋藤は初戦敗退<2日目結果>

8月22日に開催されたBWF世界選手権2023(デンマーク・コペンハーゲン)2日目は、各種目1、2回戦が行なわれた。日本代表は奥原希望と緑川大輝/齋藤夏が出場。海外の強敵と好勝負を演じた。

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日本勢は女子シングルスの奥原希望が2回戦でプサルラ・V.シンドゥ(インド)に2-0で勝利を収め、3回戦に進出した。2人は、この世界選手権決勝で過去に2回対戦しているライバル。2017年には奥原が、19年にはシンドゥが勝って、ともに初優勝を飾っている。しかし、ともに負傷などで成績は低迷。トップ戦線から下がった状況にある2人の対決だった。

 

第1ゲームは、会場独特の横風に慣れないシンドゥがバックアウトを連発。丁寧にラリーを展開する奥原がわずかにリードしながら試合を進めた。14-12から5連続得点を挙げたゲーム終盤は、自らスピードアップ。連続して跳びつくドライブ戦から攻め切るなど、1回戦では取り切れなかった展開から得点を重ねた。19点目は、バック側からクロスに落とす鮮やかなカット。最後は相手のミスで21-14とゲームを取り切った。

エンドを変えた第2ゲームは、奥原が横風に苦しんだ。つなぎ球がことごとくアウトになり、0-9と最悪の出だし。第1ゲームのシンドゥ同様に、跳びついた球がバックアウトになりやすく、奥原は「こっちから飛ぶ(エンド)という意識の中で、どう我慢していくかが難しい。後ろの球を使いにくい中で、どうやって後ろの球を使うか。いろんな配球を考えて判断していくところで、思考が追いつかないままラリーをしてしまった」と振り返った。

しかし、少しずつねばりのラリーを見せるようになると、5-10、9-10とインターバル前に大きく巻き返すことに成功。戦線復帰したばかりでファイナルゲームを戦う自信はなかったという。久々にスピードラリーを展開する姿は、復活をイメージさせるもの。第2ゲーム中盤以降は低い展開で相手を圧倒。12オールで追いつくと、そのまま逆転。つかんだ流れを離さず、21-14で押し切り、ストレートで勝利を収めた。

敗れたシンドゥは、奥原の復活を祝福しながらも「彼女が昨日試合をしている分、風への対応では有利だったとは思う。でも、それとは別にこの精神的にもキツい敗戦を経験した事をどう克服するか。トレーニングを積み、彼女の様に強くなってカムバックをめざすだけ。次の機会に備えます」と刺激を受け、トップ戦線への再浮上に意欲を示していた。

混合ダブルスの緑川大輝(上写真・左)/齋藤夏は、リバルディ/メンタリ(インドネシア)と対戦。過去3戦全敗だが、2回はファイナルゲームまで競り合っている相手。今回もゲームの主導権を取り合う展開になった。第1ゲームは、21-23で競り負け。緑川が後衛から打つ攻撃スタイルをつくれた序盤はリードしたが、アタックロブなどで後方のスペースもねらうインドネシアペアに揺さぶりをかけられ、互角のペースに移行。苦しい場面もねばりを見せて対抗し続けたが、最後は緑川のサービスがネットにかかって21-23。第2ゲームは、サービス周りから優位に立った。相手のプレーが少し乱雑になったところもあり、21-8と一方的な展開で取り返した。

しかし、ファイナルゲームは、打たせてねばる展開は悪くなかったが、次第に相手前衛の女子選手に捕まる形が増え、連続失点。大きく引き離されて11-21で敗れた。悔しい初戦敗退となり、緑川は「もう少し冷静に、相手の女子選手を後ろに下げればよかった。試合になると、いけると思って(ネットに切るプレーを仕掛けに)いってしまうけど、そこでミスが出る。リスクを取らずに、1回高く上げて、相手の女子選手を後ろに回す方がよかった」と反省を口にした。

大会2日目は、日本勢が奥原、緑川/齋藤のみだったが、23日の2回戦には、シードの混合ダブルスや女子ダブルスなど日本の多くの選手が出場する。

【女子シングルス】

▼2回戦(8月22日)

奥原希望②〔21−14、21−14〕0●プサルラ・V.シンドゥ(インド)44分

▼2回戦(8月23日)

山口茜 – ネスリハン・アリン(トルコ)

【混合ダブルス】

▼1回戦(8月22日)

緑川大輝/齋藤夏●1〔21−23、21−8、11−21〕②リバルディ/メンタリ(インドネシア)54分

▼2回戦(8月23日)

渡辺勇大/東野有紗 – リンデマン/ウー(カナダ)

山下恭平/篠谷菜留 – リバルディ/メンタリ(インドネシア)

【男子シングルス】

▼2回戦(8月23日)

奈良岡功大 – トマ・ジュニア・ポポフ(フランス)

西本拳太 – ユリエン・カルラッギ(ベルギー)

常山幹太 – ダニエロ・ボスニウク(ウクライナ)

【男子ダブルス】

▼2回戦(8月23日)

保木卓朗/小林優吾 – 譚強/任翔宇(中国)

古賀輝/齋藤太一 – 王齊麟/李洋(台湾)

【女子ダブルス】

▼2回戦(8月23日)

志田千陽/松山奈未 – 李佳馨/鄧淳薫(台湾)

中西貴映/岩永鈴 – トゥーグセン/フォウガード(デンマーク)

松本麻佑/永原和可那 – オ・ヨング/ホフマイヤー(オーストリア)

福島由紀/廣田彩花 – V・フー/リム・CS(マレーシア)

取材・構成・写真/平野貴也

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