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「練習できなかった中でも集中していいプレーができたのは、自信になった」(志田&松山) ワールドツアー選手帰国コメント

2023年の年明けからワールドツアーに参戦していた日本代表が1月30日に帰国。3大会を終え、インドネシアから帰国した日本代表選手が成田空港で取材に対応した。

下記は2週目のインドOP(1月17日~22日/Super750)で優勝した志田千陽/松山奈未のコメント。

志田千陽(右)&松山奈未

――遠征を振り返って

志田 松山のケガや体調不良があって(昨年末のBWFワールドツアーファイナルズや全日本総合に続いて)マレーシアOPも棄権することになり、インドOPも2人での練習時間はあまりない中で入って不安もあったのですが、お互いにやるべきことに集中して、久しぶりの試合なのに、自分たちのプレーを出し切ることができました。練習できていなかったのですが、集中してこういうプレーができるんだなということは自信になりました。その後のインドネシアマスターズでは、空調の影響がある会場で、初めて戦う中国のペアに負けたのですが、一度崩れたり、面食らったときに対応できないなと。簡単に負けてしまったところは改善点です。初めて対戦する相手にやられっぱなしで終わってしまったので、対処できる力や、一つひとつの技術も足りていないなと感じました。もう一度ここから2人で練習を積んでいけたらいいなと思います。

――5月から五輪レースが始まるが、東京五輪レースのころと気持ちの違いは?

松山 東京五輪レースには、コロナの影響であまり参加できなかったのですが、少しでも雰囲気を感じられたり、A代表に上がって海外の選手と試合をできていたのは、今の私たちにとってはいい経験でしたし、それが生かせていると思います。

志田 東京五輪レースのときは、私たちはB代表で、最後の1~3月だけ五輪レースに参加できました。パリのレースが始まる年になって、緊張感や不安とかが自分の中にはあります。どうなるか分からないし、もし自分がパリ五輪に向けてやってきたことが、かなわなかったら…など不安になることもありますが、もうやるしかない。2人で5月にいいスタートを切るためにも準備するしかないので、今年は腹をくくってています。体調と気持ち、プレーの面でも2人で練習するしかないと思っているので、しっかり調整して準備している感じです。

――松山選手のケガ、現在の状況は?

松山 左のアキレス腱の付着部が腫れてしまって、シューズに当たって歩くのも痛い状況になったので、痛みがなくなるまでは安静にしていました。今は痛みがゼロになったわけではないですが、やれるところまではきています。今回の試合でもそんなにひどくならなかったので、付き合っていきながらやらないといけない。その中で、インドOPではいいプレーは出せたので、そこは自信にしていいのかなと思います。

――痛めた時期と、練習に復帰できた時期を教えてください

松山 痛めたのは(昨年11月の)オーストラリアOPです。少し痛かったのが一気に悪化して(プレーが)できなくなってしまいました。練習は、年明けからフルでできるようになり始めて、遠征にギリギリ間に合ったという感じです。

――直前にインフルエンザの影響もあって大変だったと思いますが、インドOPでは松山選手が後衛の形でも安定していたように見えました

松山 自分自身はインフルエンザ明けで体が万全ではなかったので、いいプレーをしている感じもあまりなく、いい感覚もなかったのですが。それでもいいプレーができたと言ってもらえて、優勝という結果もついてきたので、ちょっと複雑な気持ちではありますけど(笑)、優勝は素直にうれしかったです。

――無理ができないことで、うまく力が抜けていいプレーになった部分もあるのでしょうか

志田 以前に(2019年スイスOPで準優勝)松山があばらを骨折したことがあるのですが、ウォーミングアップもできないような状態で試合をしたのですが、そのときも、自分がケガをしたときもそうなんですけど、やれることが限られて、どうなるかわからない中、すごく集中して、危機感を感じながら、いつもならミスが増えるところを確実に、互いが絶対に(ラリーを)つなごうという気持ちがプレーに出ていた。そういうときこそ丁寧にできたりするので、逆に身体の調子がいいときも(積極的に攻めに)行くところは行く、丁寧にやるところは丁寧にやるとできたらいいねと2人で話しました。いい経験になったと思います。

松山 (19年の)あばらが折れていた時は強打できなかったので、相手コートに入れるだけという感じでした。

――最初に、志田選手が今後に向けた反省点として対応力を挙げていましたが、どのように身につけたいですか

志田 自分たちは低空ラリーが好きで、ノーロブのラリーがいいところではあるのですが、私たち以上に速かったり、ネット周りがうまい中国やインドネシアのペアと対戦すると、全部が速くなってしまう。もっと大きいプレーができているときはいいのですが、全部、急ぎのプレーになってしまう。今回のインドネシアマスターズではバタバタしたまま終わってしまったので、もう少し大きい展開を、風がある中でも、低空ラリー中心でも、空間を使える余裕ができるようにしたいと思いました。

――次は国内でS/Jリーグのトップ4がありますが、意気込みを聞かせてください

志田 S/Jリーグは、チームのみんなで優勝する気持ちで準備をしてきました。私たちもエースダブルスとして、絶対にチームに貢献して優勝に導きたいという気持ちがあります。本当に優勝しかねらっていないので、ここから2人で準備して、チームのみんなと合流して意識を上げて優勝できるように準備したいと思います。

取材・文/平野貴也

 

 

 

 

 

 

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