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【世界選手権2022】山口茜が連覇に王手!ライバルの韓国選手を下して決勝進出!<準決勝-女子シングルス>

8月27日に開催されたBWF世界選手権2022(東京体育館)6日目は、各種目準決勝が行なわれ、メダルを確定させた日本代表選手が登場。ここでは、女子シングルスに出場した山口茜の試合結果とコメントをお伝えする。

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【女子シングルス】

2021年世界選手権女王・山口茜の準決勝の相手は、前日の準々決勝で激戦を制した韓国のアン・セヨン。昨年から何度も対戦してきたライバルに対し、山口は、女王の強さと貫禄を見せて見事勝利をつかみとった。

第1ゲーム、試合前のトスで山口が選んだエンドは、今日の試合で多くの選手が悩んでいた風上側だった。そのことについて山口は、「一日試合を見て、自分にとって1ゲーム目(のエンド)は、やりにくい風向きかなと思った」と話す。先に不利なエンドを選択したのは、「1ゲーム目は、取られてもいいという気持ち」があったから。たとえ第1ゲームを奪われても、第2ゲーム、そしてファイナルゲームの勝負を見据えての選択。これが後半に生きてくる。

第1ゲームは、スタートこそアンのカット2連発で出鼻をくじかれたが、すかさず同点に持ち込む山口。ここから互いにクリアーやカットで崩し合う展開となったが、19オールから先に抜け出したのは山口だった。「引かずにやれたと思う。相手は1ゲーム目を取りたかったと思うので、ミスができない状況だった。だから、自分のほうが有利にやれていたと思います」(山口)。相手の心境を察知しながら先手を奪い、21-19で第1ゲームを先取した。

第1ゲームは接戦と展開したアン・セヨン

第2ゲームに入ると、風下のエンドに入った山口がのびのびとプレー。出だしからリードをつかむと、動きのスピードを上げていく。速いロブやクリアーでアンをコート奥に追い込み11−4。会場の手拍子とともに加速する山口に対し、アンは「コートの感覚が難しく、シャトルをコントロールできなかった」と、風の流れをつかみきれずに防戦一方。大量リードを奪った山口が、マッチポイントの最後にクロスカットを決めて21-12。女王が貫禄の勝利を飾り、2大会連続となる決勝進出を果たした。

山口は決勝で陳雨菲(チェン・ユーフェイ/中国)と激突。準決勝で戴資穎(タイ・ツーイン/台湾)との激闘を制した東京オリンピック女王と、世界一を争う。

【コメント】

−−第1ゲームは、前の試合で多くの選手が苦しんだエンドからのスタートだった

最初のエンドは自分が選択しました。試合を一日見て、自分にとっては1ゲーム目の(エンドの)ほうがやりにくい風向きかなと思った。1ゲーム目は、(相手に)取られてもいいという気持ちがあり、その中で、相手選手は昨日の長い試合で疲労があると思った。だから、簡単に1ゲーム目を取られるのではなくて、ラリーや展開の部分が勝負だと思ったので、相手に先行されても、気持ち的には焦らずに我慢してやれたと思います。そこがよかったです。

−−第1ゲームを取れたことが、第2ゲームのよい流れにつながった

そうですね。取られても仕方がないという考え中で1ゲーム目を取れたので、自分にとっては気持ちが前向きなまま2ゲーム目を取れたと思います。

−−最初のコートが風向きは

風上です。

−−第1ゲームはラウンドからのクロスのショットなどをうまくコントロールしていた。どういうショットで戦おうとしたか

ただ我慢するだけのラリーではなくて、積極的にやりたいと思っていた。タッチを速くしたことが、今日の試合では有効だったかなと思います。

−−バックハンド側を攻められたように見えたが、そこをうまく沈めていた

しっかり返して先手を取られないようなショットを意識していたし、ショットのクオリティというよりは、相手がねらっていないところ(に打つこと)を意識してやれたと思います。

−−第1ゲーム、19オールの場面での心境は?

引かずにやれたと思います。相手の選手は1ゲーム目を取りたかったと思う。ミスができない状況だったので、自分のほうが有利にやれていたと思います。

−−決勝に進めた気持ちは

日本で世界選手権をやることはなかなかないと思うので、その中で最大限の試合数をできるのがうれしいです。

−−決勝の相手は東京オリンピック王者(陳雨菲)。どう戦っていくか

今日みたいにラリーの中で積極的にやっていきたいと思います。これまでの対戦成績や結果を気にせず、楽しくやっていきたいです。

【コメント】

 

▼準決勝(8月27日)

山口茜②〔21−19、21−12〕0●アン・セヨン(韓国)42分

▼決勝戦(8月28日)

山口茜 − 陳雨菲(中国)

取材・文/バドミントン・マガジン編集部

写真/菅原淳

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