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【東京五輪】「最後まで諦めずにプレーした結果。3人で取った銅メダル」(渡辺)7日目/選手コメント-2

7月30日に開催されている東京オリンピック・バドミントン競技(武蔵野の森 総合スポーツプラザ)7日目のデイセッションでは、混合ダブルスの3位決定戦に渡辺勇大/東野有紗が登場。香港の鄧俊文/謝影雪(タン・チュンマン/ツェ・イエンスエット)に対して第1ゲームを21-17で奪うと、第2ゲームは終盤の競り合いを23-21でモノにして勝利。この種目で日本勢初となる銅メダルを獲得した。ここでは、試合後の2人のコメントを紹介する。

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■混合ダブルス・3位決定戦

結果:鄧俊文/謝影雪(香港)に2-0で勝利!

――メダルを取れたことに対する気持ちは

渡辺 素直にうれしいですし、最後まで2人で諦めずにプレーした結果だと思っています。遠藤さん(大由・男子ダブルスのパートナー)も昨日、「切り替えて頑張れよ」と声をかけてくれてくれたので、3人で取った銅メダルだと思っています。

東野 本当に素直にうれしいですし、遠藤さんだったり、いろんな先輩方の思いと一緒に戦ってきて、その先輩達と一緒に勝ち取った銅メダルだと思います。

――昨日の敗戦から、どのように切り替えたか

渡辺 本当に、素直につらかったですし、しんどかったですし……いろんな期待とかプレッシャーに押しつぶされそうでした。今日会場に来るまで、逃げ出したくて、試合をしたくないという気持ちはたくさんありましたけど……やるしかないと腹をくくって、2人で戦いました。内容は決していいとは言えないですが、最後は気持ちのぶつかり合いで、先輩に声をかけてもらって、僕の心が折れそうになっても踏ん張らせてくれました。最後は本当に、2人の気持ちだけの勝利だったかなと思っています。

――東野選手も昨日、ミックスゾーンで目に涙を溜めていた

東野 勇大くんとめざしていたのは金メダルだったので、昨日すごく悔しかったですし、帰ってからも、ご飯を食べる気にもならなくて…。でも、奥原さんや福島さん、永原さんが一緒にご飯に行こうと言ってくれたり、隣でずっと励ましてくれて。今日のことは忘れて明日の準備をしようと声をかけてくれたので、切り替えることができました。

――試合に関して。どのような作戦で、それがどううまくいったか

渡辺 まずはミスをしないように。相手もミスが少ないですし、左利き同士のペアなので、頭を使いました。たとえば、相手のバック側でラリーを展開したり、フォア側でラリーを展開されている時は、こちらはシンプルに我慢。相手のミス待ちくらいの気持ちでやるようにしました。最後の最後、競った場面については、上から沈めて僕らが攻撃の形を作れば、うまく得点を重ねられるかなと。ぐちゃぐちゃながらにも、それで相手がプレッシャーを感じてくれていたと思います。内容は決してよくなかったですが、そういったちょっとした意識が、もしかしたらポイントになってくれて勝てたのかなと思っています。

――福島県の富岡高校出身者の中で初のメダリストに。歴史を塗り替えたことに関して

東野 素直にうれしいです。後輩たちの応援が、すごく力になりました。後輩たちにも、混合ダブルスの楽しさやおもしろさを伝えられていたらいいなと思います。

――富岡第一中時代にペアを結成。これまでを振り返って

東野 中学の頃は男女のペアですし、最初のほうは何て声をかけたらいいかなど悩んだりしたんですけど、(2018年に)ジェレミーコーチが来てくれて、コミュニケーションを取ることの大事さを教えてくれました。そこからしっかりコミュニケーションを取るようになって、すごく気持ちがわかるようになって。いろいろ考えられるようになりました。本当に勇大くんと組んできてよかったと思いますし、勇大くんがずっと自分のパートナーで居続けてくれて、本当によかったです。

渡辺 福島での生活がなかったら先輩とも組めていないわけですし、この年齢で、ペア10年目というのは本当に世界を見ても少ないと思います。先輩だからきっと、僕をコントロールできたと思いますし、先輩だから、僕も一緒にやってこられた。福島で培われたいろんなものが、こうやって、色は違えど、2人での成果として結びついてくれて、素直に誇りに思います。福島での6年間というのは、僕の競技人生において、間違いなく、これからもすごく大事な1ページになるなと思います。

――渡辺選手に。五輪では日本バドミントン男子初のメダル獲得について

渡辺 あまり深く考えていなかったですが、日本で初めてということに対して、今はうれしいという言葉しか出てこないです。これから僕の成績を抜いていく選手、後輩たちが出てくると思いますが、その一人目になれたのはすごくうれしいです。いろんなものを伝えられる人間に、少しでもなれたのかなと思うので、これからいろんな方に、いろんな後輩たちに、いろんな思いを伝えたいですし、いろんなアドバイスを送りたいです。これからも一緒に、レールを作ってほしいと思っています。

まだまだこの座を譲る気はないですが、いろんな人と一緒に切磋琢磨してここまでこられた。これからもそうやって、僕は成長していくんだと思う。まずは本当に、先輩に感謝の気持ちを伝えたいと思っています。

 

取材・構成/バドミントン・マガジン編集部

写真/Getty Images

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