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【全日本総合2020】苦難の2020年を乗り越えた桃田賢斗が3連覇達成!<決勝戦ダイジェスト-5>

12月27日に開催された第74回全日本総合選手権(東京・町田市立総合体育館)最終日、男女シングルス、男女ダブルス、混合ダブルスの決勝戦が行なわれた。ここでは、桃田賢斗が優勝を飾った男子シングルスの決勝戦ダイジェストをお伝えする。

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【男子シングルス】

桃田賢斗(NTT東日本・上写真)の3連覇か。それとも常山幹太(トナミ運輸)の初優勝か−−。男子シングルスは、第1シードと第2シードの2人が順当に決勝へ進出。下馬評では、世界王者の桃田優勢の声が多いが、A代表で切磋琢磨する常山は「負けて失うものはない」と、全力で王者にぶつかることを宣言していた。

一方、総合期間中は「緊張していた」と話すことが多かった桃田。そのプレッシャーが出足の悪さにつながり、準々決勝の下農戦(走・トナミ運輸)では、第1ゲームを落としての逆転勝利。1月の事故前以来となる久しぶりの大会だけに、決勝でも王者に不安要素があったはずだ。

注目の第1ゲーム、序盤はその桃田がリードを奪った。クリアーとカットの探り合いから、鋭いスマッシュなどで攻め立て11-5。王者のペースで試合が進む。しかし、常山も積極的な姿勢で桃田に食らいつき、長いラリーでもスマッシュやカットスマッシュで仕掛ける。すると、9-13、12-16、15-16と常山がスコアを縮め、15-18の場面から6連続得点に成功。王者を一気に突き放した常山が、第1ゲームを先制した。

「長い試合になると思い、自分からミスしないようにした」と常山(上写真)。

第2ゲームはフォア奥からのクリアーを使ったラリー戦に持ち込む桃田に対し、クロススマッシュやカットで対抗。長いラリーにも食らいついたが、中盤になると、徐々に常山のミスが目立ち始める。「2ゲーム以降は、技術や戦略など関係なく、強い気持ちを持って足を動かした」と桃田。スピードのテンポを上げつつ球際の強さを発揮すると、第1ゲームの常山と同じ6連続得点から21-12。ファイナルゲームに持ち込んだ。

試合は常山の予想通り、1時間を越えるロングゲームに。最終ゲームでは、スタミナに自信のある常山が、クロスに、ストレートにカットスマッシュを打ち分けてポイント奪いにいった。10オールでは鋭いカットでミスを誘い、常山がリードしてインターバルに入る。一方の桃田。点差を離すことができてなくても、冷静に相手の動きを見極めていた。「相手はだいぶ足にきていた」(桃田)と、中盤からドライブを交えてスピードを上げる。13オールからは桃田のリズムとなり、緩急をつけたラリーで常山のミスを誘った。「17点まではいけたけど、そこから自分はギアを上げようとしても上がらなかった」と常山が振り返るように、終盤は王者のペース。強烈なスマッシュからのプッシュを決めた桃田が19-17。さらにクロススマッシュで20-17。「相手より1本でも多く返そうと思ってプレーした」という桃田が、最後はラウンドからのクロススマッシュを突き刺し優勝。大ケガを負った苦難の2020年を、しっかり3連覇で締めくくった。

▼決勝

桃田賢斗(NTT東日本)②〔18-21、21-12、21-17〕1●常山幹太(トナミ運輸)

取材・文/バドミントン・マガジン編集部

写真/菅原淳

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