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【全日本総合2020】王者・桃田賢斗は逆転勝利!古賀穂が西本下しベスト4入り!<準々決勝ダイジェスト-1>

12月25日に開催された第74回全日本総合(東京・町田市立総合体育館)4日目は、5種目の準々決勝が行なわれた。ベスト4進出が日本A・B代表の選考にも関わってくるだけに、どの選手にとっても負けられない戦い。この日も、現日本代表選手らが敗れるなど、波乱含みの一日となった。ここでは、男子シングルスのダイジェストを紹介する。

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【男子シングルス】

3連覇をめざす王者・桃田賢斗(NTT東日本/上写真)。世界ランク1位の実力がありながら、初日から「緊張している」と慎重なコメントをくり返す。準々決勝の相手は、日本B代表の下農走(トナミ運輸)。前日の2回戦で、同じB代表の奈良岡功大(IMG)とのリベンジマッチに勝ち、勢いに乗っている。

立ち上がりから積極的に攻める下農に対し、どこか消極的な桃田。試合後、「出だしから相手にずっと主導権を握られて、気持ちで押されて。どんどん自分の中で不安な気持ちが大きくなり、苦しくなってしまう展開」と振り返った。

対する下農はエンジン全開。角度あるスマッシュを放ち、ネット前の浅いシャトルを力強く叩き込む。守ることに関しても世界レベルの桃田だが、ノータッチエースを決められ、ロブやクリアーが何度もアウトとなり、その表情は冴えない。第1ゲームは19分、21−13で下農が奪った。

第2ゲームに入ると桃田が3−0と先行。「ミスしてもいいから、どんどん押していこうとプレーした」(桃田)とラリーを支配する。下農は序盤、バック奥の判定に迷ってミス2本。桃田は「2回連続点数につながって、あそこから少し気持ちが楽にプレーできるようになった」とコメント。シャトルの繊細な動きが勝負を分けていった。桃田リードの11−6で折り返すと、強さやコースを変えたスマッシュが次々と決まる。下農もいいショットを放つが連続得点できず、第2ゲームは21−10で桃田が奪い返した。

ファイナルゲームに入ると、桃田のストロークがさらに安定。第1ゲームは見せなかった、速いタイミングからのクロススマッシュ、フェイントを入れたヘアピンなどで得点を重ねていく。下農もあきらめずにシャトルを追うが、最後は渾身のクロススマッシュを、ストレートに返されて追いつけず。ファイナルゲームは21−9で桃田。55分の戦いが終わった。

苦しい展開から勝ちきる強さを見せた王者・桃田と、準決勝で戦う権利を得たのは、日本B代表で2019年大学王者の田中湧士(日本大/上写真)。準々決勝の相手は、同じ大学生の嶺岸洸(法政大)。11月末に行なわれた大会の決勝でも対戦し、そのときは嶺岸の足がつって途中棄権。リベンジに燃える同級生との対決を21−10、21−17で制した。

男子シングルス4試合の中で最長の80分の激闘となったのが、古賀穂(NTT東日本/上写真)と西本拳太(岐阜県協会)の対戦。桃田と同い年のA代表、西本が第1ゲームを21−12で奪うが、B代表の古賀はあきらめなかった。早稲田大時代から、「体は小さくてもやれるんだってところを見せたいです」と話していたとおり、長いラリーでも横着せず足をしっかり運んでシャトルの下に入る。ファイナルゲーム後半の勝負どころ、ライン際をねらったスマッシュが次々と決まったのは、鍛え上げてきたフットワークの賜物だ。

最後の一本は、ねばる西本がネット前のシャトルにダイビング。古賀が落ち着いてコート奥に押し込んで「イン」の判定。見送った西本は天を仰ぎ、古賀は静かに両手を突き上げると、「ヨーシ! ヨーシ!」と声を上げた。

準決勝の相手は、準々決勝を快勝したA代表の常山幹太(トナミ運輸)。高校時代にしのぎを削った同い年のライバルが、全日本総合の舞台で激突する。

▼準々決勝

桃田賢斗(NTT東日本)②〔13-21、21-10、21-9〕1●下農走(トナミ運輸)

田中湧士(日本大)②〔21-10、21-17〕0●嶺岸洸(法政大)

古賀穂(NTT東日本)②〔12-21、21-16、21-16〕1●西本拳太(岐阜県協会)

常山幹太(トナミ運輸)②〔21-15、21-8〕0●小野寺裕介(日本ユニシス)

▼準決勝(26日)

桃田賢斗(NTT東日本)− 田中湧士(日本大)

古賀穂(NTT東日本)− 常山幹太(トナミ運輸)

取材・文/バドミントン・マガジン編集部

写真/菅原淳

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