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【イベント情報】中学生の交流試合が福島で開幕!「思い出に残るイベントにしたい」

8月4日、中学生の交流試合『日本中学生バドミントンフェスティバル〜Remember 2020〜』の代替となる交流会(福島県立ふたば未来学園中学校・高等学校体育館)が開幕した。新型コロナウイルスの影響により、3月の全日本中学生大会をはじめ、各カテゴリーの集大成ともいえる夏の地区大会・全国大会が中止に。「何もなくなってしまった中学生のために、大人ができることはないか――」。そんな思いを持った指導者たちが中心となり、このイベントを立ち上げた。

開幕4日前、感染拡大の影響により会場が使用できなくなり、フェスティバルは中止に。それでも、関係者は中学生のために何ができるか知恵を出し合った。同一日程で会場を栃木県から福島県に変更して、交流会を実施することを検討。出場チームを東日本に限定するなど大幅に縮小し、感染対策のために形態も変更しながら、開催にこぎつけた。

実行委員長の芝田英世氏(栃木・小山ジュニア)、実行委員の齋藤亘氏(ふたば未来学園中学校監督)に、イベント開催への思いを聞いた。

急きょ会場を変更して開催。ギャラリーはソーシャルディスタンスを保てるよう、指定席にするなど工夫が見られた

——イベント開催のキッカケは?

芝田 齋藤先生とのご縁が深まったのは、昨年の全中から。男子シングルス決勝で、教え子が対戦したんです。「来年は女子にいい選手がいるから、また決勝で戦いましょう!」と話していたのが、中学生を対象とした全国大会が中止。ゴールデンウイークの頃は練習もできず、とてもつらい時期でした。そこで、選手たちのモチベーションを上げる希望の光を与えることができないかと、6月中旬頃から全中の代わりとなる試合の開催を考えてきたのです。

齋藤 中学生にとって、節目となる大会は大切です。特に、全中のように伝統ある大会は格別。それがなくなったことで、代替大会をやろうという話になりました。

——具体的には、どんな準備を?

芝田 全国9ブロックのトップ選手や、ジュニアナショナル(U-16)の選手に集まってほしくて、全国のチームに声かけをしてきました。開催地は栃木県の大田原市として、地元の大田原ジュニアが運営準備に協力してくれました。

——ところが、開幕4日前の7月31日、「大会中止」の連絡。

芝田 開催地の大田原市で新型コロナウイルスの警戒レベルが上がり、体育館が使えなくなってしまったのです。残念ながら、「全中の代替大会としては中止」という決断になりました。

——そして、中止の連絡からほどなくして、同じ日程で会場を移して開催すると再連絡。

芝田 一度はあきらめました。でも、齋藤先生と学校(ふたば未来学園)が県と相談し、中学生のための交流会として再生したのです。

齋藤 うちのチームでは、大会2週間前からカウントダウンを始めていました。それが、4日前に「中止」。選手たちはショックを受けるだろう、つらい思いを二度もさせたくない。その思いで学校に話したところ、腰を上げてくれたのです。感染防止対策については、もともとフェスティバルで徹底しようとしていた、日本バドミントン協会のガイドラインを遵守して、こまめな消毒、マスク着用、選手間の接触の禁止、すべての参加者の健康管理・検温や事前登録等に加えて、体育館の窓を常時開け放って換気に務める、参加チームが試合時間のみ会場入りすることとして大人数が集まらない、使用エリアを区切るなど、感染対策をさらに強化しています。

——全中の代替大会として中止になりながら、見事な再生です。

芝田 金曜日だったので、手続きなどが間に合わず、参加できなかったチームや選手もいました。また、大変申し訳ないことに、西日本のチームについては、こちらからお断りする形になってしまった。それでも、「頑張ってください」「この大会のために頑張れました。感謝しています」と温かい言葉をいただけました。その思いを受けて、無事に終われるように頑張っていきたいです。

齋藤 このイベントを、大会を開催することへの第一歩としたいです。集団としての取り組みは開催者が指導して、個人としての取り組みは自分たちで徹底する。そして、大会を中止するのではなく、2次策、3次策まで考えていくことが必要だと思います。たとえば、会場を分散して開催する、地方ごとに開催する、といったように。

——イベント初日を終えた、いまの思いを一言ずつお願いします。

芝田 通常とはかけ離れた形になったけど、やることができて本当によかった。齋藤先生をはじめとする先生方に、本当に感謝しています。そして、選手たちにはこのイベントを覚えていてほしい。その思いを込めた「Remember 2020」です。思い出に残るイベントにしたいですね。

齋藤 選手たちには、「勝っても負けても最高のプレーを見せよう!」と話しています。親への感謝をプレーで表す。その姿を見てもらうために、人数制限やソーシャルディスタンスを取る形で保護者の方を会場に入れています。このイベントが、1年後の自分が頑張れる糧になるといいなと思っています。

取材・構成/平田美穂

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