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【選手情報】混合ダブルス五輪金メダリスト・アーマドが引退を発表!

5月18日、インドネシアバドミントン協会は、混合ダブルスでオリンピックと世界選手権の両タイトルを獲得しているタントゥイ・アーマド(写真奥)が、代表を引退することを発表した。

ジュニア時代から国内で頭角を現していたアーマドは、同世代のトップが集結するアジアジュニアに選出され、チームの銅メダルに貢献。インドネシアのトップチームに選ばれると、2010年から08年北京五輪混合ダブルス銀メダリストのリリアナ・ナトシールと本格的にペアを組んで世界を転戦するようになった。ペア結成から半年後には、スーパーシリーズ(現ワールドツアー)のインドOP、シンガポールOPで優勝を飾り、一躍トップクラスの仲間入り。12年の全英OP、13年の世界選手権も制してミックスの頂点を極めている。

試合では名手・ナトシールの活躍に注目が集まることが多かったが、アーマドの豊富な運動量を生かしたコートカバー力は世界トップ級。183センチから放つ鋭いアタックもライバルたちを大いに苦しめており、中国、韓国、デンマークらの強豪たちと何度も名勝負を繰り広げている。

そんなアーマドにとっての栄光は、2016年のリオ五輪(上写真)だろう。予選リーグから2−0で連勝すると、決勝トーナメント・準決勝では金メダル候補だった中国の張楠(ツァン・ナム)/趙蕓蕾(シャオ・ユンレイ)に16本、15本で勝利。決勝では、マレーシアペアを2−0のストレート勝ちで退け、母国・インドネシアに久々の金メダルをもたらしている。

2017年には、再び世界選手権で優勝を飾ったアーマド。19年1月にパートナーのナトシールが惜しまれつつ引退し、その後は新たなペアと再スタートを切った。しかし、昨年はワールドツアーでの初戦負けが続き、今年に入ってからは国際大会を欠場。コロナウイルスの影響でツアーが中断されているなか、アーマドはインドネシア協会に代表引退を報告。18日に、同協会がホームページでアーマドの引退を発表した。

1987年生まれの32歳。18歳でインドネシアの名門クラブチーム・ジャルムに所属し、チームの中心選手として高い人気を誇った。同年代には男子ダブルスの世界王者・モハマド・アッサンがおり、ベテランの中でもまだまだ世界の最前線で活躍できる実力の持ち主。経験の多さもプレーに大きく影響するミックス選手だけに、再起に期待するファンも多かった。今後の活動は未定だが、しばらくの間は、バドミントンと同じくらい愛情を注ぐ愛車とともに、新たな道を走り抜けていくことだろう。

先輩であるナトシール(左)と多くのタイトルを獲得したアーマド。インドネシアの総監督をつとめるスシ・スサンティ「彼はミックス選手として世界最高峰のプレーヤーの一人。彼の献身的な動きやマジメさは若手の手本になる」と評している

文/バドミントン・マガジン編集部 写真/BADMINTONPHOTO

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