バドスピ | BADMINTON SPIRIT

【事故詳細と今後‐2】「順調にいけば全英OP出場には間に合う」<朴監督>

マレーシアマスターズ後に桃田賢斗を含む日本代表およびスタッフの3名が巻き込まれた交通事故について、日本代表の朴柱奉監督および中西洋介コーチが記者会見を行ない、事故の詳細や今後の桃田の復帰への見通しなどについて語った。

事故は、1月13日、マレーシア・クアラルンプールで発生。日本に帰国するため空港へ向かう途中、桃田らが乗った車が前方を走っていた大型車に衝突。ドライバーが亡くなる大事故だった。

現場で救助活動に加わり、桃田に寄り添った中西コーチは「精神的なショックは小さくない」というが、今後の見通しについて朴監督は3月の全英OPには十分間に合うと見ている。

以下は、記者会見での質疑応答その2。

――確認ですが、朴ヘッドコーチ、中西コーチが到着したときは、桃田選手は車の中にはいなかった。

中西 路肩です。平山コーチはストレッチャーで救急車に運ばれていくところでした。重症度合いで、優先的に搬送されていったのだと思います。1台目は平山さんと森本さんの2人が運ばれて、2台目に桃田選手が乗りました。

――残念ながらドライバーさんがお亡くなりになっているということで、朴監督と中西コーチが現場をご覧になって、桃田選手が受けた精神的なショックというのがどれくらいのものなのか、感じたことを教えてください。

 桃田選手からは(ドライバーの状態を)しっかり見えてはいなかったと思います。あの時点で、そこまではわかっていなかったと思います。

中西 桃田選手はドライバーの後ろの2列目、平山コーチは4列目にいましたが2列目まで体が飛ばされていったと聞いています。森本さんは脳震盪という状況でしたので、記憶のほうがはっきりしていなくて、ドライバーを見ていないといっていました。桃田選手、平山コーチは多少なりとも記憶がはっきりしていると思います。

私自身、帰りにマレーシア協会の手配した車に乗って、少し事故のことを意識してしまいました。なので、やはり精神的なショックのほうは小さくないと感じます。フラッシュバック、同じようなシチュエーションで思い出してしまうというようなことはあるかなと思います。

――病院ではどのような会話がありましたか。

 治療のあと、午後は精神的にも落ち着いてきて、「治りますか?」という言葉も「ハンサムに戻りますか?」というようなニュアンスで、少し余裕があったように感じます。

――次の合宿に来てもらうという話でしたが、次の合宿というのはアジア団体選手権を想定している?

 桃田選手は今回の(アジア団体選手権の)メンバーからは外れています。強化合宿に関しては、十分な動きができるようであれば考えます。状況次第では休む可能性もあります。

――直近で連絡したのは?

 まだ話していないです。インドネシアマスターズ期間中には協会と連絡を取り合っていました。

中西 私は検査結果を聞くために一昨日、電話をしました。検査の結果に関して、なにも(異常は)なかったいうことを聞いています。声のトーンに関しては、通常通りでした。

――朴監督、中西コーチが移動の際、ほかの選手も一緒だったということでしたが、ほかの選手は事故現場を見ているのでしょうか。その後、事故について、選手たちに朴監督から何か説明などは?

 後発隊に関しては、日本チームのほか、韓国チームも同じ飛行機だったため、車3台で移動しました。現場では、救急車を見送ったあとに現場を出発しました。選手は後方のバスの中で座って待機していたので、事故現場については見えていなかったと思います。ただ、車が通り過ぎる瞬間には、見えたかもしれません。

私は病院で桃田選手の治療を見届けて、水曜にインドネシア入りしたので、選手たちはもう試合に入っていました。選手への説明は、一昨日(18日)、全員の試合が終わったあとに、集合して桃田選手の治療の状況、リカバリーしていることを説明しました。(今回の事故は)残念ですが、帰ってから、また集中して頑張りましょうという話をしました。

――全英OP出場をメドにしている理由は?

 私自身のいまの気持ちとしては、本人がやりたいと思っているのではないかと思っています。本人の気持ちが一番。全英OPは、世界で一番有名で、歴史もある大会。まだ時間があるので、順調にリカバリーすれば、試合は問題ないと思います。

記者会見で事故当時の桃田について語った朴柱奉監督(左)と中西洋介コーチ

【事故詳細と今後‐1】はこちら

取材・構成/バドミントン・マガジン編集部

バドスピTOPへ
モバイルバージョンを終了