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【バド×スピ! 連載〈第23回〉】2019年の振り返り「結果も取り組みも”満点”だったと思う」(奈良岡)

小学生時代から頭角を現し、全国大会の男子シングルスにおいて“史上初”や“最年少記録”などの偉業を次々と成し遂げる奈良岡功大(浪岡高校3年)。この連載では、そんなスーパー高校生の日常や素顔に迫っていく。連載第23回は、国際大会で5回の優勝を飾った2019年について振り返ってもらった。読者からの質問に答えるQ&Aでは、小学生時代に頑張っていたことについて聞いた。

皆さん、こんにちは!

全日本総合のあと、今年最後の海外遠征となる『バングラデシュ国際(1210日~15日)』と『ヨネックス/K&Dグラフィックス国際(アメリカ/1217日~21日)』に出場しました。2週連続で国際大会に出る経験はあまりしたことがなかったのですが、1週目でベスト8に入り、2週目のアメリカでは優勝。1年の最後の大会を優勝という形で締めくくれてよかったです。

 バングラデシュは屋外に出られないなどの規制があり、環境面で不安があったけど、去年も決勝まで上がっているアメリカの大会は環境がよく、やりやすかったです。初戦の強い相手に勝って勢いに乗っていけましたし、大会を通して安定したプレーができたと思います。

想像していなかった5回の優勝。
2019年は“満点”の出来

今年は国際大会で5回優勝することができました。ここまでの結果を出せるなんて、1年前はまったく想像していませんでした。2019年は日本B代表から落ちて、正直最初は、「国際大会に出て、世界ランクを維持しよう」と思っていたくらいだったので(編集部注:2019年1月は110番台)。でも、今年最初の国際大会で優勝することができて、その次も優勝……。少しずつランキングが上がっていって、「もっと上にいきたい」と思い、モチベーションも上がっていきました。 

2月に参戦した2019年最初の国際大会『ラオスインターナショナルシリーズ』。シニアの国際大会で初めて優勝を飾った

 いまは世界ランク43位(1224日付)。次のタイマスターズ(Super300/2020年1月21日~26日)で勝てれば日本人4番手になれる可能性があるので、頑張りたい。日本からもA代表など強い選手がたくさん出ますが、自分は失うものは何もないので、向かっていきたいです。

 国内の大会では、高校選抜で3冠して、インターハイではシングルス優勝。国体でも優勝することができました。とくにインターハイは、やっと取れたタイトルだったので、すごくうれしかったです。高校最後の2019年は、結果としても、取り組みとしても、“満点”だったんじゃないかな。今年はやり残したことはないというか、自分がやるべきことは全部やってきたという気持ちです。

取り組みでいうと、毎日ランニングをしていたことがよかったと思います。この1年、雪が積もっていない限り(苦笑)、1日合計6kmくらい走ることを日課にしていました。以前より試合で疲れなくなったし、息が上がらなくなった。追い詰められても焦らず、『大丈夫』と自信が持てるようになりました。

念願のシングルス優勝を果たしたインターハイ

 それに加えて、国際大会で優勝したり、世界ランクが上がっていくことで自信がついてきた。代表から外れた1年でしたが、合宿→遠征ではなく、青森で厳しい練習をして、コンディションなどを調整して海外大会に臨めたことも大きかったと思います。自分のプレースタイルを取り戻せた1年だったなと感じています。

 自分に負けなかった全日本総合。
B代表入りをプラスに

全日本総合のベスト8という結果は、自分のなかで、すごくよかったと思っています。これまで総合の独特な雰囲気にのまれてしまうことが多かったけど、そこを気にせず、『大丈夫』と思って相手に向かっていけた。1回戦の途中まで、のまれている感じはありましたけど(苦笑)、途中から回復しました。自分に負けなかったことが、初めてのベスト8につながったと思います。

準々決勝ではA代表の西本拳太(トナミ運輸)と対戦。第2ゲームを奪ってファイナルゲームに持ち込む力を見せた。「自分がこれだけやれるんだということがわかったし、もっといけると感じました」(奈良岡)

 総合のあと、2020年の日本代表が発表されて、B代表に入ることができましたが、ここで満足はしていません。やっぱり自分がめざしているのはA代表。A代表入りをめざして、いまから頑張っています。……お正月くらいは少し休みますけど(笑)。

 2020年の目標は、世界ランクを30番台まで上げること。今年はIS(インターナショナルシリーズ)や、その一つ上のレベルのIC(インターナショナルチャレンジ)でも優勝できたので、来年は、ICはもちろん、Super100で優勝したい。ワールドツアーのSuper300でもベスト8、ベスト4、決勝、優勝と結果を出していければ世界ランクが上がるので、そこまで行きたいです。

 そして、ランニングも継続していきます。まだ足りないからというわけではなくて、人ってやらないと落ちていくものじゃないですか。なので、継続していくことが大事かなと。

 今年は例年に比べてケガがほとんどないシーズンでした。今後もケガをしない体をつくっていきたい。B代表入りをプラスにして、自分をさらに磨いていけるように、頑張ります!

 奈良岡功大選手に聞く!
なんでもQ&A

Q僕は奈良岡選手のように強くなりたいです。小学生のときに一番頑張っていたこと、意識して取り組んでいたことがあれば教えてください。(小学5年生)

A.「目標に向かってガムシャラに練習を頑張っていました!」(奈良岡)

小学生時代の練習で一番覚えているのは、パターン練習をひたすらやっていたこと。「オールロング」は、長い時間やっていました。どのくらいか? もう、“無限”にです(笑)。とくに3年生のころ。毎日ヘトヘトになって、汗はダラダラ。本当にきつかったです。

でも当時、とにかく4年生に勝ちたくて。そのためには、ねばるというか、頑張るしかないと思ってやっていました。3年生でABC大会のBグループで勝てたときは、めちゃめちゃ喜びましたね。決勝で腹筋をつってしまって、監督に「やめるか?」といわれたけれど、「やめない」と答えて、そのまま勝つことができました。

小3のABC大会で優勝を決めると、父である奈良岡浩監督に抱き上げられた。「すごくうれしかったので、当時のことは覚えています」(奈良岡)

 たぶん、3年生のときが一番練習を頑張っていたんじゃないかな(笑)。勝ちたくて、強くなりたくて、本当に夢中で。オールロングがどれだけきつくても、練習を休みたいと思ったことがない。むしろ次の練習前には「やりたい」と思っていましたから。

強くなるためには、目標を持って、それに向かってガムシャラに練習を頑張ることが大事。勝つためには、練習するしかありません。その積み重ねが結果につながると思います。あとは、羽根打ちをたくさんすること。いま考えると、当時、羽根をたくさん打ったことが、いまの自分につながっていると思うので。

決勝は腹筋をつりながらも、最後まで強い思いで戦い抜いた奈良岡。Bグループで3年生が優勝するのは初めてのことだった

奈良岡功大選手への質問募集!★

送り先…◎Eメール:bad@bbm-japan.com ◎FAX:03-5643-3841◎郵便:〒103-8482(株)ベースボール・マガジン社 バドミントン・マガジン編集部&バド×スピ!編集部「一本集中 Q&A」係まで。さまざまな質問、お待ちしています!

Profile

ならおか・こうだい◎2001年6月30日生まれ、青森県出身。浪岡南小-浪岡中-浪岡高。小学時代は全国小学生大会単3連覇、全国ABC大会単5連覇を達成。中学時代は全国中学校大会単3連覇という前人未踏の記録を打ち立てた。同年9月には、高校2年までが出場する全日本ジュニアで最年少V(16年・17年連覇)。高校入学後は選抜の単を2連覇し、2年時には3冠を達成。3年時にはインターハイの単で優勝を果たした。そのほかでは、18年ユース五輪で銅メダル、世界ジュニアで銀メダルを獲得。大阪国際準優勝をはじめ、国内外のシニアの舞台でも活躍しており、19年は国際大会で5回の優勝を飾っている。17466㎏。血液型B。

構成/バドミントン・マガジン編集部

 

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