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【日本RC】A代表の金子が2種目で決勝進出!<男女・混合ダブルス準決勝>

5月25日から、サイデン化学アリーナ(埼玉県さいたま市)で開催中の「2019年日本ランキングサーキット」は大会4日目。各種目準決勝が行なわれ、決勝進出ペアが決まった。男女・混合ダブルスのダイジェストと結果、明日の対戦カードをお伝えしよう。

【男子ダブルス】

危なげない試合運びで相手を圧倒した井上拓斗(奥)/金子祐樹(日本ユニシス)

前日の準々決勝は2−1と苦しんだA代表の井上拓斗/金子祐樹(日本ユニシス)が、世界ランク12位の実力を発揮。B代表の金子真大/久保田友之祐(トナミ運輸)に2−0で勝利した。試合序盤は互いにローテーションの隙を突く、見応えのあるラリーを展開した右左ペア対決だが、サービスまわりは井上/金子が一枚上手。第2ゲームに入ると、井上/金子がラリーを支配。相手の攻撃をロングレシーブで押し返し、攻撃に転じて得点を重ねていく。最後は井上がカットで沈め、浅くなったレシーブを金子が叩き込んでゲームオーバー。井上/金子は2016年以来の決勝進出で、大会初制覇をめざす。

準々決勝を2-1で突破してA代表ペアに挑んだ金子真大(右)/久保田友之祐(トナミ運輸)。「自分たちは攻撃しないと勝ち目はないと思っていたけど、それをさせてもらえなかった」(金子)、「自分たちの力を出し切れなかったことが悔しい」(久保田)

3連覇をねらうB代表の古賀輝/齋藤太一(NTT東日本)は、同じB代表の岡村洋輝/小野寺雅之(日本ユニシス/早稲田大)に快勝。互いにスピードを生かしたコンビネーションが持ち味だが、速い展開での勝負は古賀/齋藤が望むところ。岡村/小野寺が果敢に前に突っ込むと、それ以上のスピードで切り返し、攻撃の主導権を渡さなかった。最後の1点は、齋藤が豪快にスマッシュを放ち、浅くなった返球を古賀が前で仕留めるという理想的な形。4試合すべてストレート勝ちで、連日会場に足を運ぶ職場の応援団の期待に応えてみせた。

◆準決勝の結果

井上拓斗/金子祐樹(日本ユニシス)②〔21−17、21−12〕0金子真大/久保田友之祐(トナミ運輸)
古賀輝/齋藤太一(NTT東日本)②〔21−10、21−15〕0岡村洋輝/小野寺雅之(日本ユニシス/早稲田大)

◆決勝(29日)の組み合わせ

井上拓斗/金子祐樹(日本ユニシス) − 古賀輝/齋藤太一(NTT東日本)

【女子ダブルス】

大阪国際チャレンジの優勝ペアを下して初の決勝進出を決めた加藤美幸(左)/柏原みき(ACT SAIKYO)

2試合ともにファイナルゲームだった女子ダブルス。長い戦いを先に制したのは、加藤美幸/柏原みき(ACT SAIKYO)だった。相手は4月の大阪国際で優勝している曽根夏姫/保原彩夏(ヨネックス)。竹内真実コーチが「優勝しなくちゃいけないとプレッシャーをかけて、厳しい練習をさせてきた」という期待の若手が、目まぐるしく入れ替わるローテーションで点を奪い、第1ゲームを21−13で先取した。第2ゲームに入ると、加藤/柏原が先に攻める展開で序盤からリード。曽根/保原は追いつきかけたところでミスが出て流れに乗れず、第2ゲームは21−12で加藤/柏原。ファイナルゲームは曽根/保原が積極的に前に詰めて4−0とするが、6−6で追いつかれたところからミスが重なった。加藤/柏原が11−7とリードして折り返すと、そのまま流れを渡すことなく攻め続け、21−16でゲームオーバー。大学時代からペアを組む加藤/柏原が、逆転勝利で初の決勝進出を決めた。

曽根夏姫(右)/保原彩夏(ヨネックス)は接戦をモノにできず。試合後は悔し涙があふれた

もう1試合はペア結成間もない星千智/松田蒼(日本ユニシス)、福万尚子/横山恵里香(山陰合同銀行)の対戦。前日の準々決勝で快勝した福万/横山は、この日も動きがよく第1ゲームを21−8で先取。接戦となった第2ゲームは、20−18で星/松田がゲームポイントを握るも、福万/横山が追いついて20−20。それでも怯むことなくスマッシュを打ち込んだ星/松田が、22−20で奪い返した。ファイナルゲームに入っても、2人の攻撃は止まらない。食らいつく福万/横山を15本で振りきって、ペアとして初参戦の大会で初の決勝進出。初優勝をねらうところまで辿りついた。

勝利を決めて笑顔が弾けた星千智(右)/松田蒼(日本ユニシス)
4月にヨネックスから山陰合同銀行に移籍した福万尚子(右)は、若手の横山恵里香と組んでベスト4入りを果たした

◆準決勝の結果

星千智/松田蒼(日本ユニシス)②〔8−21、22−20、21−15〕1福万尚子/横山恵里香(山陰合同銀行)
加藤美幸/柏原みき(ACT SAIKYO)②〔13−21、21−12、21−16〕1曽根夏姫/保原彩夏(ヨネックス)

◆決勝(29日)の組み合わせ

星千智/松田蒼(日本ユニシス) − 加藤美幸/柏原みき(ACT SAIKYO)

【混合ダブルス】

ストレート勝ちで決勝進出を決めた浦井唯行(左)/宮浦玲奈(丸杉/ヨネックス)

この日、最初に決勝進出を決めたのは混合ダブルス専任のB代表ペア、浦井唯行/宮浦玲奈(丸杉/ヨネックス)。4月の大阪国際でも勝利していた西川裕次郎/尾﨑沙織(NTT東日本)にストレート勝ちを収めた。スディルマン杯を終えたナショナルコーチ陣が見守る中、相手を崩して浦井が強打を叩き込む形が機能。宮浦の動きもよく前衛で球を作り、ネット前の浮き球をプッシュで仕留めていく。第2ゲーム中盤は「相手の女子が前に入りはじめて焦ってしまった」(浦井)と点差を詰められる場面もあったが、ラリーの組み立てと決定力で上回り、17本で勝ちきった。

西川裕次郎(左)/尾﨑沙織(NTT東日本)は昨年に続く3位。長身サウスポーの西川と前衛を得意とする尾﨑のペアは、また見たいと思わせる魅力があった

第1シードの金子祐樹/中西貴映(日本ユニシス)は、混合ダブルス専任のB代表ペア、山下恭平/篠谷菜留(日本体育大/日本ユニシス)に勝利。接戦の第1ゲームを21−19で奪い、第2ゲームは山下/篠谷の組み立ての前に11−21と奪われ、勝負はファイナルゲームへ。A代表として男子ダブルスの世界ランク12位、松友美佐紀(日本ユニシス)とのペアで混合ダブルスの世界ランク30位という金子の攻撃力は、簡単に対応できるものではない。チャンスと見ると左腕を振り抜き、最後も金子の連続スマッシュでゲームオーバーとなった。金子/中西は一昨年に初優勝して以来、2年ぶりの決勝進出。金子は男子ダブルスとの2冠をねらう。

2年ぶりの優勝へ、あと一歩と迫った金子祐樹(左)/中西貴映(日本ユニシス)
今年からペアを組む山下恭平(右)/篠谷菜留(日本ユニシス)は3位にとどまった

◆準決勝の結果

金子祐樹/中西貴映(日本ユニシス)②〔21−19、11−21、21−17〕1山下恭平/篠谷菜留(日本体育大/日本ユニシス)
浦井唯行/宮浦玲奈(丸杉/ヨネックス)②〔21−13、21−17〕0西川裕次郎/尾﨑沙織(NTT東日本)

◆決勝(29日)の組み合わせ

金子祐樹/中西貴映(日本ユニシス) − 浦井唯行/宮浦玲奈(丸杉/ヨネックス)

明日29日(水)は各種目決勝が行なわれる。混合ダブルス、女子シングルス、男子シングルス、女子ダブルス、男子ダブルスの順番で、10時試合開始予定。

 

取材・文/平田美穂

写真/井出秀人

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