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【世界選手権2018】桃田賢斗が圧勝で世界の頂点に君臨!<決勝>

8月5日に開催された世界一を決める最高峰の舞台『24回世界選手権』(中国・南京)最終日は、各種目決勝戦が行なわれた。ここでは男子シングルスの結果をお伝えしよう。

日本選手として初めて決勝の舞台に立った桃田賢斗

これまで中国、インドネシア、デンマークの強豪国のみが手にしてきた、男子シングルス世界一の称号。日本にとっては程遠かった領域に、日本の桃田賢斗が初めて立った。

その決勝の相手は、地元中国の石宇奇(シー・ユーチー)。3月の全英OP優勝などで世界ランクは3位。中国の一番手に位置している。今大会は3回戦で先輩である林丹を破り、準決勝ではリオ五輪金メダリストの諶龍(チェン・ロン)を下した。そんな22歳について、桃田は「オールラウンダーですべてのスキルがトップ。ディフェンス、アタック、スタミナ、パワー、どれをとっても世界トップだと思います」と評していた。

中国の大観衆の前で始まった第1ゲームは、互いに手の内を探り合うようなラリーから始まった。守備を軸にシャトルを操る桃田に対して、石宇奇はスマッシュやカットで得点を奪いにいく。前半こそ8-8としたが、流れは少しずつ桃田に傾いていった。「ラブオール・プレーとのとき、相手はホームの使命感からなのか緊張していた」と、心の隙を見逃さなかった。石宇奇のアタックをことごとく拾い、好機と見るやスマッシュを見舞った。13-11からは桃田の時間。石宇奇はどこに打っても返されるラリーに、戦意を保つので精一杯だった。

第2ゲームに入っても流れは変わらない。現地に入っての練習初日に腹筋を痛めるアクシデントもあった桃田だが、最後のゲームは積極的にスマッシュを叩き込んだ。ストレート、クロス、ボディのスマッシュで奪った3連続ポイントで勢いに乗ると、スピードアップしてくる相手に対して「自分もギアを上げた」と桃田。これまで抑え続けた“自分らしさ”を解き放つと、8−6から一気に15−8。地元ファンの前で意地を見せたい石宇奇も応戦したが、もはや桃田を止めることはできなかった。20-13。優勝の瞬間は、桃田のフォア奥からのカットがネットの白帯にあたって、ネットイン。一瞬の間をおいて、新王者に対する拍手が会場を埋め尽くした中国のファンから送られた。

「しっかり足を動かして、石宇奇選手の上からのショットを取って、それが少しずつプレッシャーになっていた。今日は自分のディフェンスがよかったと思います」と桃田。大会中、貫き通した「守り」で手にした念願の頂点。世界の中心に、桃田が君臨した。

優勝後、日の丸にキスをする桃田賢斗

▼決勝

桃田賢斗②〔21−11、21−13〕0●石宇奇(中国)49分

取材・文/バドミントン・マガジン編集部

写真/北川外志廣

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