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【年末年始企画】JAPANの躍進〜2017年を振り返る・最終回<それぞれの頂点>

a第9回世界の中でも常に躍進を続けている日本。2017年も日本代表選手を中心に、数多くの栄光を手にしています。今回は年末特別企画として、2017年の日本代表の活躍や主な出来事を振り返ります。最終回は12月開催の全日本総合、そしてスーパーシリーズファイナルを紹介します。

1年間の成長

SS香港OPの翌週に開催されたのが、日本一を決める全日本総合。2018年日本代表の選考も兼ねる大事な大会で、日本代表を中心としたトップ選手らが光り輝く活躍を見せた。

女子シングルスでは、1年間を通して抜群の安定感を見せた山口茜が、3年ぶり2度目の優勝。準優勝には、強い決意で臨んだ大堀彩が入った。また、女子ダブルスは世界選手権銀メダル、マレーシアOP優勝など、2017年に大きな飛躍を遂げた福島由紀/廣田彩花が、培った力を大一番で披露。髙橋礼華/松友美佐紀との決勝戦は2−0のストレートで勝利をおさめ、涙の総合初制覇を果たした。

3年ぶり2度目の優勝を飾った山口茜
初優勝を決めた福島由紀(左)/廣田彩花

期待のホープが本領発揮

男子ダブルス、そして混合ダブルスで優勝を果たし2冠を達成したのは渡辺勇大だった。遠藤大由との男子ダブルスは、準決勝で日本のエース、園田啓悟/嘉村健士を、決勝では成長著しい保木卓朗/小林優吾を撃破。混合ダブルスも東野有紗とのペアで初の頂点をつかんだ。2017年夏以降は腰のケガに悩まされた渡辺だったが、溜まった鬱憤を総合で一気に爆発させ、最高の結果を手にしている。

そして、桃田賢斗の出場で多くの注目を集めた男子シングルス。優勝はその桃田を準々決勝で破った28歳の武下利一だった。ベテランの意地を見せた武下は、決勝でも同僚の西本拳太を下し総合初V。日本代表への返り咲きも決めている。

男子ダブルスを制した遠藤大由(右)/渡辺勇大
男子シングルスを制した武下利一
準々決勝を戦った桃田賢斗(左)と武下利一

2種目で世界一

白熱した全日本総合から1週間後、選ばれし日本代表はスーパーシリーズ年間上位者によって争われるSSファイナル(UAE・ドバイ)に出場した。

2017年を締めくくるビックイベントでも、JAPANの強さは揺るがなかった。主役を飾ったのは、女子シングルスの山口茜と女子ダブルスの米元小春/田中志穂。年間SSランキング1位の山口は、予選リーグを2位で抜けたものの、決勝トーナメント・準決勝ではタイのラチャノック・インタノンに勝利。決勝では予選で敗れたプサルラ・V.シンドゥ(インド)を2−1で退けV達成。見事SS年間女王に輝いた。

SSファイナル初制覇を決めた山口茜(右)

女子ダブルスは、SSランク1位の米元小春/田中志穂が、混戦の予選リーグを1位で勝ち抜け、準決勝ではデンマークペアを撃破。また、同ランク2位の福島/廣田も予選リーグを3連勝で勝ち抜くと、準決勝では中国の強敵ペアに勝利。日本の2ペアが決勝の舞台に上がると、米元/田中が福島/廣田の攻撃を抑えて優勝。4月のインドOP優勝以来2度目のタイトルを獲得した。

また、男子ダブルスでは前回のSSF準優勝の園田/嘉村が、予選リーグを突破。惜しくも準決勝では敗れたが、2年連続で上位進出を果たしている。

追われる立場となったJAPAN

2017年の日本代表は、奥原希望の世界選手権優勝を筆頭に、国際大会で過去最高といえる結果を残した。SSでは男女シングルス、男女ダブルスの4種目で決勝進出を果たし、3種目で10優勝を飾っている。

2018年は、この日本代表に新たなメンバーを加え再び世界の荒波に飛び込むが、今後は、これまで以上に“追われる立場”としての戦いが続く。JAPANの真価が試される1年を乗り越えた先に、2020年東京オリンピックのメダルが見えてくるだろう。

<終わり>

文/バドミントン・マガジン編集部

写真/北川外志廣、井出秀人、BADMINTONPHOTO

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