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【世界選手権】奥原希望が世界の頂点に到達!<女子シングルス>

8月27日に開催された第23回世界選手権(スコットランド・グラスゴー)最終日は、各種目の決勝戦が行なわれた。

世界一の瞬間が、ついにやってきた。

日本勢では1977年に女子ダブルスで栂野尾悦子/植野恵美子が優勝して以来、40年ぶりの快挙。その主役を演じたのが、女子シングルスで世界選手権初の決勝進出を果たした奥原希望だった。

決勝の相手は、昨年のリオ五輪・準決勝で敗れたシンデュ・P.V.(インド)。準決勝では中国の新鋭をストレートで破り、奥原と同じく初の決勝進出を決めていた。

 

多くのファンが見つめる中で始まった第1ゲームは、序盤で出遅れた奥原が5-11とリードを許したものの、ジワジワと点差を詰めて14-14。前日ほどの勢いがないシンデュの攻撃を抑えながら、得意のストローク戦に持ち込んだ。すると、この後も長いラリーを制したのが奥原。21-19で最初のゲームをつかむ。

第2ゲームも奥原はコートを走り続けた。再び相手に先行される苦しい戦いだったが、シンデュの強烈なスマッシュをしのいでは、得意のカットとクリアーで攻め込む。17-19と劣勢の場面でも、あきらめずにシャトルを追いかけ20-20。優勝目前、しかしここで意地を見せたのがリオ五輪の銀メダリストだった。奥原のスマッシュをカウンターレシーブで沈めてゲームポイントにすると、続く長いラリーをしのいだシンデュが第2ゲームを奪い返した。

 

泣いても笑っても最後となるファイナルゲーム。持久戦に持ち込めば奥原有利と思われたが、シンデュも負けずにクリアーとカットで対抗する。互いに気迫を押し出した攻防は、世界一を決めるにふさわしい戦いとなった。

いよいよ100分を越えた試合は、17-19で奥原が劣勢。あと一点をとられれば、精神的にも非常に苦しい状況だ。それでも、奥原はブレない。生命線のクリアーとカットで四隅をつき、クロス展開で相手を左右に振り続ける。クロスカットが決まり、18-19。今度はクロススマッシュを沈めて19-19の同点に追いつく。すると、続くラリーではシンデュが攻め急いでミス。20-19、奥原が逆転に成功した。

そして、歓喜の瞬間が訪れる。21-20から再びロングラリーとなったが、奥原がバック奥からラウンドで柔らかなクロスカット。これがシンデュの前に落ち、長い長い決戦に終止符が打たれる。センタコートに降り注ぐ拍手と歓声。奥原が、ついに世界の頂点に到達した。

奥原「ファイナルゲームでは、せっかくここまできたし、もっとやってやろう、もっと楽しもうという気持ちが出てきました。そう考えたら、相手の方が苦しそうに見えてきて、自分の方が余裕があるのかなと思えてきました。どんなに相手にリードされても、1点とられても、“次の一本”と焦らずにできたかなと思います」

 

【女子シングルス】

奥原希望②〔21−19、20-22、22−20〕1●シンデュ・P.V.(インド)110分

 

取材・文/バドミントン・マガジン編集部

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