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【山形IH2017】インターハイの思い出〜奥原希望 <特別インタビュー2>

7月30日から競技がスタートするインターハイ(IH)。ここでは現在トップレベルで活躍する選手に、自身のIHにまつわる思い出を振り返ってもらうと同時に、出場する高校生にメッセージを送ってもらう。登場いただくのは、リオ五輪・銅メダリストの奥原希望選手(日本ユニシス)。IHは1年時から出場し、2年・3年ではシングルスで連覇を果たしている。

 

シングルスよりも思い入れがあったダブルス

そんなわけなので、2、3年のときの個人戦(シングルス連覇)は特別な思いは何もないというか…(笑)。顧問の先生をはじめ、公立なのにいろいろ配慮していただいた学校にはいつも感謝していたので、私は“IHは学校のため”と思っていました。IHのタイトルは高校生として何がなんでも取りたいものだと思いますが、私は自分の名誉のためではなく、本当に「誰かのために」という気持ちしかなかったんです。

ダブルスでは3年のときにベスト8(パートナー:中西)に入りましたが、シングルスよりも思い入れがあり、どうにかして上に行きたいと思っていました。私は高校のとき、すごく怖かったんですよ(笑)。とにかく団体戦で頑張りたかったから、チームメイトにも厳しく接していました。

そんな中で中西とは、学校も一緒、部活も一緒、帰ってくるのも一緒、下宿も一緒…という生活を2年間していたので、最後のIHのダブルスは、いままでのぶんも含めて楽しくやろうと思っていましたね。「最後だから、もう何でもいいよ。私がフォローするから」っていったのを覚えています。

後輩の中西(右)と組んだダブルスではベスト8

 

インターハイは暑さとの戦いもあります。私は1年生のときのIHが沖縄だったので、暑くて、とにかく試合を早く終わらせることしか考えていませんでした(笑)。1点余分に取られることは、1ラリー多くすること。だからいかに相手に点を取らせないかが省エネにつながるんです。どんなに長いラリーをしても、「この一球を絶対取るぞ!」という気持ちでしたね。だから“暑さ対策”としては、がむしゃらに勝ちにいきながらも「どれだけ1球にこだわれるか」だと思います。

そういえば沖縄IHのとき、選手の待機場所が確か駐車場だったんです。準々決勝までの4試合、終わってからそこで何の躊躇もなく水を浴びるのが、すごく快感だった思い出があります(笑)。高校生しかできないことですよね。そういうのも含めて、絶対にIHはいい思い出になります。

だから出場する選手には、全力ですべてをかけて、その先の結果がどうなるかというのも考えないで、恐れず、全力で戦ってほしいですね。プライドとか、何もいらない。今までやってきたことを信じて、自分のこともチームのことも信じてやっていけば、結果は必ずついてくるものです。

その「結果」は、必ずしも「優勝」だとは思いません。それに結果だけじゃなく得るものがたくさんあり、それが何なのかいまは分からなくても、いずれ分かるときが来ます。とにかくすべてを捨て、すべてをかけ、覚悟を持って山形に行ってほしいです。

 

おくはら・のぞみ◎1995年3月13日生まれ、長野県出身。仁科台中―大宮東高を経て、2013年に日本ユニシス入社。ジュニア時代から数々の全国タイトルを獲得し、高校2年の全日本総合では史上最年少での優勝を飾ったほか、3年時には世界ジュニアでもV。その後、2度にわたるヒザのケガも乗り越え世界の舞台で活躍。16年にはリオ五輪で銅メダルを獲得している。

*インターハイの戦績は、1年時:シングルス3位、2年時:シングルス優勝、3年時:シングルス優勝、ダブルス8強(パートナー:中西貴映)

 

構成/バドミントン・マガジン編集部

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