バドスピ | BADMINTON SPIRIT

【日本RC】桃田賢斗が決勝へ! 奈良岡功大は惜敗し3位 男女シングルス準決勝

5月27日(土)に開幕した『2017年日本ランキングサーキット大会』(埼玉県さいたま市)。30日(火)は各種目の準決勝が行なわれた。各種目の試合結果とピックアップ選手のコメント、31日に行なわれる決勝の組み合わせを紹介しよう。

 

決勝進出を決めた桃田賢斗

 

【男子シングルス】
復帰戦3試合目となる桃田賢斗(NTT東日本)は、武下利一(トナミ運輸)と対戦。第1ゲームは11-4と桃田リードで折り返すが、15-7から武下が5連続得点で15-12。その後、16-14まで詰められるも、ボディにクロスにと鋭いスマッシュを打ち分け、最後はフォアからストレートスマッシュを決めて21-15。桃田からは「ヨシッ!」の声と、小さなガッツポーズが出た。第2ゲームは武下がリードする展開から、桃田が追いつき14-14。互いに精度の高いショットと鋭いスマッシュ、高度なネットプレーで会場を沸かせ、桃田が20-17とマッチポイントを握る。しかし、武下は集中力を切らさず攻めて20-19。武下のセンターからのスマッシュがネットにかかってゲームオーバーとなると、桃田はこの日一番の大声で「ヨッシャー!」と叫んでガッツポーズ。喜びを爆発させた後は、初日から変わらず、体育館の四方に深く礼をしてコートを去った。

 

武下利一は3位に留まった

 

高校1年生にしてナショナルB代表の奈良岡功大(浪岡高)は、A代表の上田拓馬(日本ユニシス)に挑んだ。第1ゲームは奈良岡、第2ゲームは上田が奪い、勝負はファイナルゲームへ。4-9の劣勢から5連続得点で9-9とした奈良岡だが、上田は5連続得点で14-9と引き離し、さらに集中力を高めてラリーを展開。最後は奈良岡が上げそこなったロブを、上田が渾身のスマッシュ。1時間22分に及ぶ激闘を、雄叫びとガッツポーズでしめくくった。

 

奈良岡との接戦をモノにした上田(右)

 

▼試合結果
桃田賢斗(NTT東日本)②〔21-15、21-19〕0●武下利一(トナミ運輸)
上田拓馬(日本ユニシス)②〔14-21、21-19、21-17〕1●奈良岡功大(浪岡高)

 

🔻ピックアップ選手のコメント

桃田賢斗

「今日の試合はラリーが長くてきつかったんですけど、自分の強い気持ち――感謝の気持ちであったり、コートに入れている喜びであったり、そのおかげで、1球1球辛抱強くプレーすることができました。武下選手はストロークがすごく上手な選手で、すべてをこなすオールラウンダーという印象がありましたが、そこは我慢するしかないと思っていました。最後は気持ちで勝てたんじゃないかなと思います。(決勝で対戦する)上田選手もお互い手の内を知っていて、簡単には決まらないと思いますし、長いラリーになると思うんですけど、明日も気持ちで負けないように、感謝の気持ちを持ってコートに立ちたいです」

 

武下利一
「お互い、立場は違いますけど、ナショナルチームに復帰することを目標にやっている者同士だと思っていたので、プレーのこともありますが、そういった気持ちを強く持って、気持ちの部分では負けないようにしようと思っていました。1ゲーム目はなかなかうまくいかなかったんですが、2ゲーム目から足も動いて相手の球にも慣れてきて、自分で考えながらできていた部分もあってうまく攻めることができていました。でも最後の最後、ちょっとしたところでミスが出てしまってのはもったいなかったです」

 

上田拓馬
「若い選手を僕みたいなベテランが止めなきゃいけないなと思っていました。1ゲーム目は攻めるかディフェンスで崩すかというところで迷いがあって中途半端なプレーになり取られてしまったんですけど、2G目は我慢して簡単に点数を取らせないことを心がけました。相手はディフェンスがいいので、攻め急がなかったこともよかったと思います。明日の決勝は、自分の持ち味である拾って拾ってチャンスで攻めるプレーをしてプレッシャーを与えられたらと思います」

 

惜しくも敗れたが、最後まであきらめないプレーを見せた奈良岡

 

奈良岡功大
「1ゲーム目を取って、2ゲーム目の中盤でスピードが下がったことが敗因でした。体力というより、相手のプレーがよかったこともありますし、気持ちの部分で少し弱気になってしまった部分があったと思います。ただ、自信を持って自分のプレーができたことは収穫。決勝に行きたかったので負けたことはすごく悔しいですが、今大会は去年より勝てたので、うれしい部分もあります。また頑張って練習をして、来年リベンジしたいです」

 

▼31日・決勝の組み合わせ
桃田賢斗(NTT東日本)-上田拓馬(日本ユニシス)

 

【女子シングルス】

女子部員が2名のトナミ運輸。その二人、大堀彩と仁平菜月による同チーム対決は、互いを知り尽くす同士の長いラリーが続いた。第1ゲームは、仁平は積極的な攻撃を続けて21-16で先取。大堀は点を奪われると、首をひねる仕草を何度も見せた。第2ゲームも互いに譲らぬ展開のまま、仁平が20-18とマッチポイント。しかし、富岡高校の先輩でもある大堀が意地を見せて20-20のデュースへ。息詰まる戦いの結末は、仁平が大堀のボディにスマッシュを打ち込み23-21。昨年はベスト8に終わった大会で、決勝進出を果たした。

先輩の大堀に対し、公式戦では初勝利をあげた仁平

 

単複でベスト4進出の「二刀流」松本麻佑(北都銀行)を迎え撃つのは、昨秋の全日本社会人準優勝の齋藤栞(ACT SAIKYO)。第1ゲームは松本のミスが重なり、21-7と齋藤が先取。圧倒的な高さとパワーとスピードで勝ち上がってきた松本を、パワーで押し返す強さを見せた。第2ゲームはシングルスコートの感覚がつかめてきたのか、アウトを出さなくなった松本が21-19で取り返す。しかし、そこで気持ちが切れないのが齋藤の強さ。ファイナルゲームの序盤からミスなく得点を重ねて点差を離し、最後は松本のネットミスでゲームオーバー。齋藤はコートに深く一礼。敗れた松本は清々しい笑顔で、「本職」の女子ダブルスの準備へと向かった。

 

▼試合結果
仁平菜月(トナミ運輸)②〔21-16、23-21〕0●大堀彩(トナミ運輸)
齋藤栞(ACT SAIKYO)②〔21-7、19-21、21-12〕1●松本麻佑(北都銀行)

 

大堀は後輩に敗れる悔しい結果に

 

今大会、シングルスでも快進撃を見せた松本

 

🔻ピックアップ選手のコメント

仁平菜月

「大阪国際で対戦したときは身内だったり、変な考えを持ったりして消極的になったりしてしまったんですが、今回は初戦から挑戦者の気持ちでできています。私は焦ってミスしてしまうところがあるので、今日は長いラリーに対しても我慢して1点1点取りに行けたところが勝ちにつながったかなと思います。明日の決勝も初戦と同じ気持ちで100%の準備をしたいと思います」

 

齋藤栞
「相手(松本麻佑)はダブルスの選手だったので、すごくやりにくかったんですけど、自分はシングルなので、意地で頑張りました。相手はスマッシュが速いので打たせないように、ショートサービスから入って動かすイメージでやりました。2ゲーム目は自分があせって外に出してしまうことが多かったのですが、3ゲーム目に入るときは、相手も疲れていたので、しっかり入れてラリーをしようと思いました。明日は(この大会)初めての決勝なので、思いきりプレーしたいです」

 

初の決勝進出を果たした齋藤

 

▼31日・決勝の組み合わせ
仁平菜月(トナミ運輸)-齋藤栞(ACT SAIKYO)

 

31日は各種目の決勝が行なわれる。混合ダブルス、女子シングルス、男子シングルス、女子ダブルス、男子ダブルスの順番となる予定で、試合開始予定は10時。

 

※日本バドミントン協会による速報サイトはこちら

 

バドスピTOPへ
モバイルバージョンを終了