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日本代表選手リレーコラムVol.1 佐々木翔(トナミ運輸)

日本代表選手リレーコラムVol.1

テーマ1 私の「オン」と「オフ」

No.1 佐々木翔(トナミ運輸)

編集部が定めたテーマに対して、ナショナルA代表の選手に順番でコラムをつづってもらう連載企画がスタート! 第1回テーマは「私の『オン』と『オフ』」です。最初に登場いただくのは、昨年の全日本総合・男子シングルスの覇者、佐々木翔選手です。

ささき・しょう◎1982年6月30日生まれ、北海道出身。上磯中-関東第一高-東京富士大短期大学部-MMGアローズ-北都銀行-トナミ運輸。10年以上にわたりナショナル代表選手として日本の男子シングルスを牽引し続ける。12年ロンドン五輪・準々決勝での林丹との激闘は有名。172cm75kg、左利き、血液型O

 

 

「オフ」で感じたことをバドミントンに生かしていきたい

皆さん、こんにちは。ナショナル選手のコラムが始まるということですが、ナショナル選手が日頃どのようなことを考えているのかを、いつもより深く感じ取ることができると思うので、自分もこの企画を楽しみにしています。

 

今回のテーマは、「オン」と「オフ」です。普段、富山にいるときは日曜日がオフになりますが、純粋に日曜日の休みをもらえるのは、1か月に1回あるかないかだと思います。だいたいは東京のナショナルトレーニングセンターで合宿を行ない、そのまま海外遠征へ出かけ、帰国するのが月曜か火曜日になります。この帰国の翌日や、国内での試合や合宿から帰った翌日もオフになります。ですので、だいたい平日がオフの日が多くなります。

家族が富山にいるときは公園に行くことが多いですね。歩ききれないほどの広さの公園がありますので、遊具で遊んだりして家族との時間を満喫しますが、5月に二人目の子どもが生まれて家族が北海道に帰っているので、いまは富山で一人暮らしです。

 

一人でのオフの過ごし方は、そのときの自分の感覚で変わってくる気がします。1泊かけて船から大物をねらうような釣りに行きたいときもあれば、釣れなくてもいいから一人で竿を垂らして物思いに耽るときもあるし、映画を見に行くときや、喫茶店で本を読んだり、午後の間ずっとジムにこもることもあります。

バドミントン以外の人とご飯に行ったり、お話しさせてもらうこともあります。業種はさまざまですが、こだわりや誇りを持って仕事をしている方とお話しさせてもらうだけで、また頑張ろうという気持ちが湧いてきます。オフが近づいてくると、自分には何が必要かと自然と考えてしまって行動しているんだと思います。

 

テレビは野球中継かNHKのニュースを見るぐらいで、バラエティー番組は録りためて海外遠征のときに見ています。本は、最近までは村上春樹の長編シリーズを読みあさっていましたが、いまはドストエフスキーにはまっています。音楽はクラシックを聞くことが多いですかね。毎年、母校の小学校へコンクール前の合奏を聞かせてもらいに、差し入れがてらお邪魔させてもらっていますが、とても勇気をもらえます。試合前によくその音楽を聞いて、力をもらっています。あとユーミンも最近聞きます。もう“振り返る年齢”になってしまったんでしょうか、とても心にしみます…(笑)。

 

選手によってさまざまですが、自分はオフのときもバドミントンのことは頭に片隅にでも、常に必ずあります。「表裏一体」ということを意識していて、バランスを考えています。だから「オフ」から「オン」に切り替えることもありませんし、そこは意識していません。「オフ」で感じたことをバドミントンに生かして、人としても深みを増しながら年齢を重ねていきたいなと思っています。

 

チームの練習は、そのあとに試合が控えていたら、そこに向けて体作りや本番を想定した実戦形式の練習が多くなりますが、ナショナルの合宿が控えているとリフレッシュや合宿に向けた体作りがメインになります。遠征後は体が疲れているので、そこを考慮して練習内容が組まれると思います。

 

自分は富山にいるときはほぼ毎朝山を走りに行きますが、四季を通じてたくさんのことを感じ、ロンドン五輪以降の自分を支えてもらっています。海も近くにあって自然から感じることはたくさんあるので、これからもいろんなことを感じ、成長していけたらいいと思っています。

 

世界選手権のあと北海道の実家に戻ったときの、二人の子供とのオフショット。すっかりパパの表情です!

 

 

*当コラムは、編集部でご登場いただく選手と順番を決めさせていただいております。ご了承ください。

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