11月16日にBWFワールドツアー・熊本マスターズジャパン(Super500/熊本県立総合体育館)大会最終日が行なわれた。ここでは優勝を飾った奈良岡功大を指導する、奈良岡浩氏のコメントを紹介する。

奈良岡 浩氏(右)
――功大選手が、日本開催の国際大会で見事に優勝
今年2月くらいから、プレーの質やフィジカル面を変えてきたが、うまくいっていなかった。それでも本人は何とかやろうとしていたので、後押しできないかなと、ずっとやっていました。世界選手権に(私が)行かなかったのも、その一環。〝脱皮してみろ〟というようなところもありました。離れるわけではないけど、もう一度、自分を見つめ直してみろというところと、私も外から客観的に見たいというところで、6月くらいからやり始めて、12月に間に合えばいいなと思っていました。
そうしたら、思いのほか、(ランキングポイントの)点が入らなくて、ファイナルズ出場も危ない感じになってしまった。本人に投げかけていたんですけど、大丈夫だと言っていたし、今日(11月16日)も、飛行機の出発をみんなは日曜日にしていますけど、どうせ決勝にいくんだから月曜日(の便)だと言って、ちょっと逆のプレッシャーをかけながらやって、ようやくプレーが安定してきたと思います。
今年は、あまり(遠征に)ついていかず、デンマーク、フランスの時も、私はデンマークの途中で帰りました。そういうところで、親子間というか、コーチと選手の間でも仕掛けがあって、ようやく、今、形になってきている。もう1回、上をめざしたいと思っています。
――ジャパンOPくらいまでは攻撃的なプレースタイルが増えたが、その分、バランスを取りにくくなっていた。今大会では、コートの環境に応じて戦術を選ぶ使い方ができていて、プレーの幅が増えていた
それをやりたかったから、アタックを(強化)していたんです。アタックだけでは勝てないですし、ディフェンスが大事なのも知っている。100かゼロになってはいけないし、ハーフ・ハーフ(50-50)でもダメ。状況に応じた球づくり(が必要)というのを言っていました。そこで、互いの意思疎通がうまくいかなかったです。でも、今回は、本人の問いかけも、こちらのアドバイスも、フィットしたと思っています。まだ、我々がめざしているところまではいっていないですけど、本人が頑張っているので、もうちょっと応援してあげようかなと思っています(笑)。
――試合後はシャトルをプレゼントされ、表彰式では表彰台まで呼ばれていた
(表彰台に呼ぶのは)ズルいですよね(笑)。なんで、ここまでしてくれるのかわからないですけど、純粋にうれしいですし、ありがたいです。
――今日は、ファイナルゲームでもバランスを変えながら、攻撃的なプレーで押し切った
ロブに関しては、攻めのロブができるようになってきた。第2ゲームは、それができなくてやられましたが、あの点差(第2ゲームは10-21)だったので、ファイナルゲームに入る時にどうアドバイスをしようと思ったけど、わざと言いませんでした。それで、インターバルでチェンジエンズした時に(飛ばない方からの)ロブの高さ、強さをどうすべきか説明して、うまくやっていました。こっちは言うだけで、やるのは本人なので、すごいなと思いながら見ていましたけど。
――次のステージに行ってくれそうな期待感があるのでは?
もちろん。そこは、期待しています。昔も言ったことありますけど、(私が功大の)一番の応援者であると言っているので、それは守りたいなと思っています。
取材・写真/平野貴也
構成/バドミントン・マガジン編集部
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