1月29日、日本バドミントン協会が都内で記者会見を開き、2026年日本代表およびU24日本代表を発表した。ここでは、会見後の囲み取材に応じた日本協会池田信太郎強化戦略本部長、大堀均ヘッドコーチのコメント紹介する。
2026年日本代表
ーー日本代表と今回新設されたU24は、今後どのように運営していくのか。合宿などで一緒に行なうことも視野にいれているか
池田 強化の視点で言うと、U24代表を日本代表の合宿に参加できるようにしたいことは、大堀HCに話をしています。ただ、日本代表の国際大会のカレンダーが非常に過密で、なかなか(U24が入れる)代表合宿を組むのが難しい。また、U24も社会人から大学生、高校生もいることになるので、それぞれのカテゴリーのカレンダーもバラバラ。これをまとめて、全体で合宿するというのは、物理的な難しさが現状はあると思います。できる限り一緒に合宿する機会はつくりたいけど、カレンダーとの調整のハードルが高いとは感じています。ただ、気持ち的には合同合宿は検討していきたいです。
ーーチームや個人の事情で日本代表を辞退した選手がいる。代表監督として、改めて自身の気持ちを教えてほしい
大堀HC 2ペア(渡辺勇大/田口真彩ペアと山下恭平/緑川大輝ペア)は、(辞退について)分けて話す必要があると思います。山下/緑川ペアについては、全日本総合で2連覇しているし、年明けの大会(インドOP準優勝)でも決勝まで進んでいた。すごいパフォーマンスが上がっているので、今が旬と感じるくらいのペアです。
ただ、オリンピックという長いスパンで見据えた時に、彼らの中で葛藤もあったのだと思いますし、所属チームの考え方もあるのかなと思います。そこは我々もすり合わせしながら、今回はこの形でやっていこうという流れでした。私としては、いつになるかはわかりませんが、違った形で一緒にやる時がくれば、またやりたいと考えています。
渡辺/田口ペアについては、勇大とは、年明けに、直接話をする機会が何度かありました。彼の考え方や意見、もちろん私の考え方も伝えながら、ディスカッションをしていました。彼が出した考え方を私も聞いた上で「今回はわかった」と。細かいやりとりはお伝えできませんが、彼がナショナルチームから恒久的に離れていくわけではないと思っていますし、そう願っています。とりあえず今年については、ステップアップに向けた彼の取り組みを、私も認めたと考えていただければ。今後、どう変化していくかは、まだ誰にもわからないというところです。
ーー今回の選考で、女子シングルスは若手がトップの代表に入った印象。その一方で、奥原希望選手が最近は成績を伸ばしていたけど、選ばれなかった。この選考については、どういう考えがあったか。
大堀HC 答え方としては〝総合的に見て〟ということに尽きます。選考規定のところで、全日本総合1位、日本ランキング1位、世界ランク8位以内の日本勢トップ、そして世界選手権優勝と決まっています。それ以外については総合評価です。選考する時に、〝今が〟とか〝過去が〟というのもひっくるめて、1年間のトータルをみんなで評価をして決めたというところです。
ーーU24の選考に関しては、かなり調整が難しかったと想像できる。今年は、どのように運用していく方針か。
池田 運用については、U24の中でも3つに分かれることになると思います。Super1000、750、500など、ナショナルチームと同じような大会に派遣ができる選手もいれば、S300、100に出てポイントを取らないといけない選手もいる。渡邉柚乃選手のように、世界ランクのポイントがゼロという選手は、フューチャーシリーズのレベルからスタートしなくてはいけない。グラデーションの幅があるので、ここを分けて派遣計画をつくっていくことになると思います。
また、選考が難しかったと感じるのは、今回がU24初年度というのもある。U24の選考基準が出たのは、全日本総合のエントリー要項が出た後です。つまり、どの所属もU24に合わせてペアを組むといった戦略的なエントリーをしたチームはほとんどありません。なので、これが1周する(次の選考)までに、U24に合わせてペアを組むチームも出てくると思うし、大会数もある程度担保させるので、その中で評価するほうがいいということになりました。
また、高校生や大学生は(卒業や新体制になって)ペアの組替えが出てくると思いますが、それによって選考から漏れた選手というのは、その後の国内大会でしっかり見極め、成績が出せれば追加招集するというようにしていきたい。今回は(選考した)人数が明らかに足りていないのは、我々もわかっています。ただ、そこを無理に埋めるというのは、予算のムダ遣いにもなる。選手をしっかり見極めて、プラスにしていく努力はしていきたいと思っています。U24は大きな幅がありますが、適切な人材を、適切なタイミングで選ぶというのを、我々がジャッジしていくことが今後の作業だと思います。
ーーU24は選手によって出られる大会が変わってくるということだが、3グループに分けた中で、一緒に合宿を行なう時期もあるのか
池田 基本的には合宿は一緒にやります。ただ、合宿の期間内に低いグレードの大会があれば、そちらに選手を派遣する場合もあります。まとまって全員が集まって行なう合宿は、もしかしたら少ないかもしれません。その中で、できる限り合宿の回数を調整したいし、それがナショナルチームとできるのであれば、積極的に参加をさせたい。やはり、背中を見て学ぶというのはあると思う。その機会をつくることは、大堀HCにも話しています。
ーー代表を辞退し、国際大会に自費で参加することを選ぶ選手が出てきている。その中で、日本代表に入ることのメリットを、代表入りをめざす若い選手はどのようにとらえていけばいいのか
池田 大きな潮流として、今は国際大会が増えてきたことなど、外部環境がすごく変わってきたと思います。賞金も高くなっているし、個人の活動が現実的に可能になる外部環境になっています。その中で、ナショナルチームに入る意義やメリットというのは、まず、高い強度で練習ができることが一つ。ナショナルチームに選ばれた仲間同士で練習することは、質の高い練習ができるということ。バドミントンは対人競技。やはり、つねに質の高い選手同士で打ち合える環境下で練習ができるのは、重要だと思います。
2つ目は、味の素ナショナルトレーニングセンターというハードの場所がしっかりあるということ。所属チームであれば、受けられるサポートも違ってくると思いますが、トレセンではサポート体制がまとまった環境の中にある。強度の高い練習ができ、しっかり休息もとれる。また栄養面もしっかり摂れるし、分析もできるなど、一貫したサポート体制を代表になれば受けられるというのがあると思います。
それらのメリットについて、今は個人によって捉える価値観が違ってきていると思います。我々としては、提供価値という面を選手にどう理解してもらえるか。今回の選考にあたって、基準だったり構造的な仕組みをつくりましたが、これが決して正解だとは思っていない。個人で活動する選手が増えれることも考えられるので、今後は柔軟性を持ったナショナルチームという在り方を議論していくことが必要だと理解しています。
ただ、その一方で、我々もパートナー企業に支えられている部分がある。そういった企業に対して、(バドミントンの)提供価値をどう示していくかを同時に考える必要があります。(トップの選手に)海外で自由に活動してもらうことのメリット・デメリットがそれぞれにあるので、選手、パートナー企業、日本協会の中で最適な着点を一生懸命探していかないといけないと思っています。
取材・構成/バドミントン・マガジン編集部
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