【バドマガ連載】BWF公認審判員が解説『ルール講座!』<第11回>

新型コロナウイルスの影響により、体育館での練習や学校での部活が満足にできない方も多いと思います。バド×スピ!では、利用者の皆さんに少しでもバドミントンの情報をお届けするべく、バドミントン・マガジンで掲載された企画や連載などをアップしていきます。今回紹介するのは、バドミントン・マガジンで連載中の『見て、考える! BWF公認審判員が解説 ルール講座!』です! 普段、なかなか学ぶことが少ないルールについて、これを機会にしっかり覚えていきましょう!

【今月のテーマ】
線審の態度・ジェスチャーについて

ルールブックをCHECK!

公認審判員規定
第6条 線審への助言 第2項
線審は担当ラインについて全責任をもつ。ただし、もし、線審が明らかに間違った判定をしたと主審が確信して、線審の判定を変更する場合を除く。


初心者や仲間同士が出場する市民大会などでは、間違ったジェスチャーや、線審にふさわしくない態度を取る方も残念ながらいます。とくに日本は、敗者審判制を取り入れることが多く、敗戦後に線審を行なう場合があります。ムシャクシャすることもあるかもしれませんが、だからといって線審をおろそかにしていい理由にはなりません。選手のためにも、責任を持って判定をしましょう。

今回のイラストの序盤では、線審が出した「アウト」のジェスチャーや座り方を、主審が注意したところから始まります。この主審の注意は、正しい判断といえます。市民大会などでは主審がその場から注意しても構いませんが、できれば、線審を主審の近くまで呼び寄せた上で、注意をしましょう。これは選手との信頼関係を築くうえでも大切な対応です。

次の場面では、ラリー中に線審が近くの人と会話をしています。シャトルが落ちた瞬間を見逃し、曖昧なまま判定。ミスジャッジが起こり、選手が主審に質問をする事態となりました。

こんな場面は起こってほしくありませんが、主審は線審の判定が明らかに間違っていた場合は、コレクション・イン(またはアウト)をコールします。公認審判員規定にも書いていますが、競技規則・第17条・第5項(1)にも「審判員の判定は、その審判員の責任とするすべての事実に関して最終的のものである。ただし、主審は、もし線審が明らかに間違ったコールをしたと確信する場合には、線審の判定を変更することができる」とあります。主審は状況を踏まえたうえで、速やかに規則に沿った判定を下してください。

その後、主審は線審を呼んで注意をしますが、もし線審の態度が直らない場合はレフェリーと相談して、線審を替えることもできます(第17条・第6項[4])

なお、この場面では選手が主審に質問をしていますが、「いまのは入っていますよね?」というのは抗議にあたるので気をつけましょう。イラストのように、“線審が見ていたかどうか”の質問が適切です。また、主審はこのような状況が起こらないように、線審がミスジャッジをした時点で速やかに「コレクション・○○」とコールし、訂正してください。トラブルを防ぐために、主審が判定するのが望ましいです。

競技規則や公認審判員規定には“足を組んで座らない”、“背筋を伸ばして座る”など、姿勢について細かくは書いていません。常識的な範囲で、その線審の節度に頼ることになりますが、自分が選手の立場のとき、どのような態度の線審だと信頼できるのかを考えれば、おのずと正しい線審の態度になるはずです。

最後に、線審のジェスチャーについてもお話しします。アウトの時は、両手を大きく広げて「アウト」とコールしますが、声が小さい、両手の幅が狭いという方はまだまだいます。ジェスチャーと声は、大きく自信を持って出してください。インのときは手を指先から伸ばすイメージで、シャトルの落下地点に向けて出します。どちらの場合もジェスチャーはすぐに戻さず、主審や選手が確認できるまで出しておきましょう。

線審は、ただ座って真っ直ぐ前を見て判定するのではなく、シャトルの落下地点が見えやすいように上半身を動かしたり、ジェスチャー後は主審とアイコンタクトを取るなど、判定の質を上げて、選手や主審と信頼関係を築く努力を忘れてはいけません。線審としての責任と自覚を持って、選手のためにきちんとした判定をしてください。

※新型コロナウイルスの感染防止策の一環として、日本バドミントン協会が試合や練習時におけるガイドラインを発表しています。その中には、試合を行なう際の主審や線審の「コール」に関する内容も掲載しています。感染予防のために、ガイドラインをしっかり確認してください。

監修/遠井 努(日本協会理事:競技審判担当)

イラスト/丸口洋平

※この連載は2020年のバドミントン・マガジン4月号に掲載されたものです


投稿日:2020/07/09

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