【バドマガ連載】BWF公認審判員が解説『ルール講座!』<第10回>

新型コロナウイルスの影響により、体育館での練習や学校での部活が満足にできない方も多いと思います。バド×スピ!では、利用者の皆さんに少しでもバドミントンの情報をお届けするべく、バドミントン・マガジンで掲載された企画や連載などをアップしていきます。今回紹介するのは、バドミントン・マガジンで連載中の『見て、考える! BWF公認審判員が解説 ルール講座!』です! 普段、なかなか学ぶことが少ないルールについて、これを機会にしっかり覚えていきましょう!

【今月のテーマ】
サービスレシーブの構えができていなかったとき

ルールブックをCHECK!

競技規則
第9条サービス 第4項
サービスは、レシーバーが位置について態勢が整う前にサービスは始められないが、サーバーがサービスをし、レシーバーが打ち返そうと試みたときは、態勢が整ったものとみなす。


これはサービス時の駆け引きで見られるシーンです。まずは、競技規則の条文を解説しましょう。

前半にある「サービスは、レシーバーが位置について態勢が整う前にサービスは始められない」というのは、レシーバーの準備が整うまでサーバーは待っていてください、という意味が含まれています。サービスの試し打ちはもちろん、レシーバーの構えを急がせるために、わざと早くサービスを打つこともしてはいけません。
その後の「サーバーがサービスをし、レシーバーが打ち返そうと試みたときは、態勢が整ったものとみなす」というのは、仮にレシーバーの準備ができていなくても、レシーバーがサービスに反応して“シャトルを打ち返す”動作があった場合は、プレーが開始された(インプレーとなった)という意味です。これを踏まえて、イラストを見てみましょう。

レシーバーのAくんは、サービスに驚きながらも後ろに下がってラケットを振っています。結果としてシャトルは当たりませんでしたが、Aくんは“後ろに下がる”、“ラケットを振る”といった打ち返す動作をしたことで、“態勢が整っていた”と主審は判断しました。イラストでは、ポイントがサーバー側に入ります。

ちなみに、Aくんが後ろに下がってシャトルを追ったけれども、ラケットを振らなかった場合、皆さんはどう判定しますか?

この場合でも、Aくんの動きに打ち返す意志があったと主審が判断したならば、インプレーで構いません。シャトルがサービスコート内に入っているのであればインの判定となり、サーバー側のポイントです。

イラストではレシーバーが打ち返そうとしていますが、レシーバーがまったく反応しなかった場合はどう判断すればいいでしょうか? 競技規則・第14条レット・第2項(1)では「レシーバーの態勢が整う前にサーバーがサービスしたとき」はレットになると記されています。レシーバーの態勢が整う前にサービスがなされたと主審が判断した場合、主審は「レット」とコールしてサービスをやり直しさせます。

このほかにも、レシーバーがパートナーのほうを向いてサービスに気づかなかった場合や、目だけでシャトルを追ったり、驚いて“びくっ”と反応しただけというケースもあります。このときも、打ち返す動作をしなかったと主審が判断した場合はレットとします。

サービス時に主審として注意したいのは、サーバーがシャトルを手にした時点から、レシーバーとともに両者の動きをチェックしておくことです。また、得点板やスコアシートを確認するときは素早くしましょう。主審が両者の様子を見逃すことで、正しい判断をできなくなることがないように注意してください。

また、サービス時において、サーバーがレシーバーの準備ができていないのにサービスをしたり、レシーバーが構えるまで時間をかけるなど、サーバーとレシーバーの両者が駆け引きを仕掛けることはよくあります。このような場合は、選手を呼んで注意することも必要です。

競技規則には、サービス時にレシーバーが何秒以内に構える、サーバーが何秒以内にサービスをするといった制限時間などの細かい規定がありません。主審はマッチの早い時点で選手を注意することで、自身の“判断基準”を示してスムーズな試合進行につなげていきましょう。

監修/遠井 努(日本協会理事:競技審判担当)

イラスト/丸口洋平

※この連載は2020年のバドミントン・マガジン3月号に掲載されたものです


投稿日:2020/07/01

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