【バドマガ連載】BWF公認審判員が解説『ルール講座!』<第8回>

新型コロナウイルスの影響により、体育館での練習や部活などの機会が減っていると思います。バド×スピ!では、利用者の皆さんに少しでもバドミントンの情報をお届けするべく、バドミントン・マガジンで掲載された企画や連載などをアップしていきます。今回紹介するのは、バドミントン・マガジンで連載中の『見て、考える! BWF公認審判員が解説 ルール講座!』です! 普段、なかなか学ぶことが少ないルールについて、これを機会にしっかり覚えていきましょう!

【今月のテーマ】
選手や監督からの抗議・異議に対する対応

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公認審判員規程
第3条 第9項(1)⑤
プレーヤーがサービスジャッジや線審に影響を与えたり、または脅迫しようとしている場合、主審はプレーヤーに対して、そのような行為が決して容認できるものではないことを留意させなければならない。必要ならば、競技規則・第16条・第7項を適用する。


バドミントンでは、審判員の判定に対して選手(または監督)が、主審に質問をすることはできますが、抗議や異議を唱えることは認められていません。イラストのように、選手が線審の判定に抗議することや、主審に詰め寄る行為は当然やってはいけません。

このケースにおける主審の対応は、日本では2019年度の公認審判員規程の改訂より明文化されています。それが第3条・第9項・(1)⑤の内容です。抗議があまりにもひどいと判断した場合は、「不品行な振る舞い」として第16条・第7項を適用し、イエローカードやレッドカードを掲示し、警告、またはフォルトにします。

審判の判定は、競技規則第17条・第5項(1)「審判員の判定は、その審判員の責任とするすべての事実に関して、最終的なものである」と記載されています。審判の判定が最終的なものなので、抗議や異議ができないことが競技規則にあるわけです。

ただし、線審にも間違いがあるわけですから、その場合「主審は、線審が明らかに間違ったコールをしたと確信する場合には、線審の判定を変更することができる」というルールに則り、主審が「コレクション・○○」と、コールをすることできるわけです。

また、イラストでは選手だけではなく、監督からも抗議を受ける場面がありますが、この場合、主審は「席についてください」などと冷静に対応しましょう。監督が主審に質問できるのは、団体戦のときだけです。イラストは個人戦なので、主審に何かをいうことはできません。主審は、団体戦での質問には対応しなければなりませんが、個人戦では、質問に答える必要はありません。席につくことを促してください。

このような状況は、一般の大会などで見受けられます。主審は、線審が選手から抗議や異議を受けないためにも、線審の判定に対してしっかり線審とアイコンタクトを取ることが大事になります。また、主審も「入っていると思います」という曖昧な答えにならないように、最後までしっかり球を追うことが大切です。線審がいるからといって“主審が判定をしなくていい”というわけではありません。線審が正しい判定をしていることを確認するのも、間違った判定を変更するのも、主審の役割です。選手から質問を受けたとき、「いまのは入っています。私も確認しています」と毅然とした態度でいえれば、こういったシーンも減ってくるでしょう。線審の間違いを正すことも、最終的には線審を守ることにもつながります。

ちなみに、イラストの最後にレフェリーが出てきますが、特別な事情や主審が呼ばない限りは、レフェリーから試合に直接関与することはありません。ただ、小中学生の試合や市民大会では、ルールを熟知していない方が主審を行なうケースもあります。そういったときは、レフェリーがサポートしても問題はありません。円滑に試合が進むように判断して、対応してください。

監修/遠井 努(日本協会理事:競技審判担当)

イラスト/丸口洋平

※この連載は2020年のバドミントン・マガジン1月号に掲載されたものです


投稿日:2020/06/16

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