【バドマガ連載】BWF公認審判員が解説『ルール講座!』<第6回>

新型コロナウイルスの影響により、体育館での練習や部活などの機会が減っている人が多いと思います。バド×スピ!では、利用者の皆さんに少しでもバドミントンの情報をお届けするべく、バドミントン・マガジンで掲載された企画や連載などをアップしていきます。今回紹介するのは、バドミントン・マガジンで連載中の『見て、考える! BWF公認審判員が解説 ルール講座!』です! 普段、なかなか学ぶことが少ないルールについて、これを機会にしっかり覚えていきましょう!

【今月のテーマ】
シャトル交換の対応

ルールブックをCHECK!

公認審判員規定
第3条 主審への助言 第13項(1)
マッチ(試合)中のシャトル交換は、不公平であってはならない。主審が、シャトルの交換が必要かどうかを判断する。


はじめに、シャトル交換の正しい流れを確認します。試合中にシャトル交換をする場合、選手が主審に交換の申し出をします。このとき、選手は主審にシャトルをしっかり見せてください。主審はそのシャトルが変形、破損しているかどうかを目視し、交換が必要だと判断した場合に、新しいシャトルを”サービングサイド“ に渡します。

次に、シャトル交換の判断基準についてです。主審は、選手がシャトルを替えたいからといって、簡単に交換してよいわけではありません。主審はインプレー中のシャトルの打たれ方や軌道を確認しつつ、羽根に破損などがあってプレーに支障をきたすと判断した場合に許可をします。ただし、シャトルの状態を確認する場合、主審がシャトルを手にとって確認することや、選手に試打させて確認してはいけません。あくまでも目視のみで、素早く交換の可否を判断します。

また、シャトルの軌道がおかしいからといって、選手側から申し出がないのに主審が勝手に交換してはいけません。あくまでも“選手側から”の申し出があったときで、その判断を公平にするのが主審の役割となります。

次に、イラストの内容について解説しましょう。イラストの前半では、シャトルを交換しようとするAくんに対して、Bくんが拒否しています。国際大会でもよくあるシーンですが、このときの主審の対応は、シャトルを目視した上で、交換するかどうかの判断をすることです。「替えたい」「替えたくない」という主張を考慮するのではなく、替える必要性があるかどうかを判定します。変形や破損などがとくに見当たらず、プレーに支障をきたさないと判断すれば、そのままAくんにプレーをすることを許可すればいいわけです。

後半の内容についても、主審の対応は同じです。Bくんの「替えてほしい」という申し出に、Aくんは替える必要がないといっています。主審は一方の選手から申し出があった場合、シャトルを保持している選手に「シャトルを見せてください」と指示し、シャトルを目視して状態を確認します。Aくんは「このままシャトルが使える」と思っても、実際にシャトルを見ると、変形している場合もあります。選手が「まだ使える」というのは、シャトルに問題がないように感じているわけですが、だからこそ、主審は注意深く目視して確認することが必要。それぞれの主張・行動にとらわれず、あくまでも“シャトルの状態”を交換の判断材料にしてください。

このほかに、主審が注意したいのは、選手の動きをよく見る、ということです。主審にシャトルを見せる過程で、選手がシャトルの状態を強調したいがために、折れた羽根の部分を触って見せたり、シャトルをつぶして見せる場合があります。主審は、そのままの状態のシャトルを見せるように注意をし、わざと折るなどしてシャトルを交換しようとしていたら、競技規則・第16条・第6項(2)の“不品行な振る舞い”により、警告やフォルトの処置をすることになります。

シャトル交換とは少し離れますが、気温の急激な変化により、一日の中でシャトルのスピードが変わるときもあります。試合中、選手が使用するシャトルのスピード(※)の変更を申し出ても、主審は変更することはできません。もし、両サイドがシャトルのスピードの変更を望んだ場合は、レフェリーを呼び、対処をしてもらうようにしましょう。※各メーカーが提示している、温度の適正範囲を示す番号

監修/遠井 努(日本協会理事:競技審判担当)

イラスト/丸口洋平

※この連載は2019年のバドミントン・マガジン11月号に掲載されたものです


投稿日:2020/06/04

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