【大会展望】世界ランカー上位者がひしめく大混戦!<女子シングルス>

11月29日(火)から、バドミントンの日本一を決める第70回全日本総合選手権が、東京・代々木第2体育館で開催される。ここでは『バドミントン・マガジン』12月号で掲載した全日本総合の展望記事を、種目別に分けて特別紹介する。

 

第3回/女子シングルス

世界に誇るハイレベルな争い!

 

山口茜
山口茜

リオ五輪代表の奥原希望山口茜。五輪準々決勝での直接対決は、ファイナルゲームの末に奥原が勝利。敗れた山口は、テレビカメラの前で悔し涙を流した。しかし、9月のヨネックスオープンジャパン(YOJ)、10月のデンマークOPでの対戦は、山口が勝利。まるで何かをつかんだかのようにコート内で躍動し、SS後半戦は、韓国、デンマークと2大会で優勝。その後も好調を維持しており、14年以来のタイトルは射程圏内だ。

 

 

 

奥原希望
奥原希望

昨年の女王・奥原も、もちろん黙ってはいない。昨年12月のSSファイナル、3月の全英OPでの優勝、そして8月のリオ五輪銅メダルは確かな実力の証。総合に向けて、「日本のエースなんだと証明したい」と意気込む。ただ、11月の中国OPでは1回戦で右肩の違和感のため、1ゲームの途中でキケンしており、不安材料もある。日本ランキングでは奥原が1位、山口が2位のため、第1シード、第2シードに配置されることが濃厚。最高峰の頂上決戦が見られるか、期待が高まる。

その二人を追うメンバーも、世界ランキング上位がずらり。佐藤冴香三谷美菜津は、安定した実力で20 位以内をキープしている。昨年準優勝の佐藤は、サウスポー独特のカットと勝負どころでの精神力が光る。10月のデンマークOPではリオ五輪銀メダリストのシンデュ・P.Vを破るなど、存在感を示した。14年世界選手権銅メダルの三谷も、今季後半戦の韓国OPでベスト4に進出するなど復調気配。二人とも総合にしっかり合わせてくるだろう。

世界ランキング20位前後には、峰歩美橋本由衣大堀彩が控える。5月の日本ランキングサーキットで社会人初タイトルを獲得した峰は、今季ブレークした感あり。橋本は目立った成績を残せていない今年こそ、総合の舞台で存在感を示したい。

 

大堀彩
大堀彩

とくにトナミ運輸で男子選手と練習に励む大堀彩は、ヨネックスOPジャパンでベスト4。10 月にはタイで行なわれたグランプリゴールドで初優勝と、調子を上げている。環境に慣れるとともに精神面が安定。総合で上位進出してA代表入りという目標に、真っすぐ向かっている。

そして、昨年10月の試合中に右ヒザを負傷した髙橋沙也加が、9月の全日本社会人では3位に入るなど復活を印象づけている。その髙橋を倒して優勝した鈴木温子や社会人1年目で準優勝の齋藤栞、3位の星千智も、総合の舞台で上位をうかがう。混戦必至の女子シングルスに、台風の目は現れるのか。序盤から目が離せない展開になりそうだ。

 

◆過去5大会のファイナリスト

2011年 優勝◎奥原希望(大宮東高) 2位○廣瀬栄理子(パナソニック)

2012年 優勝◎今別府香里(パナソニック) 2位○三谷美菜津(NTT東日本)

2013年 優勝◎三谷美菜津 2位○廣瀬栄理子(ヨネックス)

2014年 優勝◎山口茜(勝山高)2位○三谷美菜津

2015年 優勝◎奥原希望(日本ユニシス)2位○佐藤冴香(ヨネックス)

※所属は当時のもの

 

文/平田美穂(本稿はバド×スピ!に掲載するにあたり、一部加筆・修正をしています)

投稿日:2016/11/28
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