【リオ五輪・コラム】決勝戦直前! タカマツの対戦相手を徹底分析!<女子ダブルス>

8月18日にリオ五輪・バドミントン競技8日目が行なわれる。この日は女子ダブルス決勝戦が実施され、日本の髙橋礼華/松友美佐紀が登場。日本史上初の金メダルに向けて、デンマークのリターユール/ペデルセンと対戦する。

ここでは、髙橋/松友と対戦する対戦相手について紹介しよう。

タカマツの相手となるリターユール(右)/ペデルセン(デンマーク)
タカマツの決勝の相手となるリターユール(右)/ペデルセン(デンマーク)

 

アジアが席巻するバドミントン界において、ヨーロッパの雄として活躍する国が、リターユール/ペデルセンの出身国であるデンマークだ。歴史を振り返れば、100年以上続く全英オープンでも数多くのデンマーク選手が優勝を果たしている。アジア選手が台頭してきた1970年以降も、デンマーク選手が欧州最後の砦として国際大会で奮闘してきた経緯がある。

オリンピックの歴史を見ても、アトランタ五輪・男子シングルスで金メダル(ポールエリク・ホイヤーラーセン/現世界バドミントン連盟会長)、シドニー五輪でも女子シングルスが銀メダル(カミラ・マーチン)などを獲得してきた。最近ではロンドン五輪・男子ダブルスのボー/モーゲンセンが銀メダル、混合ダブルスのニールセン/ペデルセンが銅メダルをつかんでいる。

女子ダブルスでは、今回決勝に上がったリターユール/ペデルセンがここ数年、世界のトップランカーとして活躍している。前回のロンドン五輪では予選リーグを勝ち抜き決勝トーナメントに出場したが、準々決勝で藤井瑞希/垣岩令佳に敗れてメダルの夢は叶わなかった。

そこから再び五輪をめざした4年の間には、世界トップ8で争うスーパーシリーズファイナル優勝(13年)、世界選手権準優勝(15年)などの実績があり、アジア選手にも引けをとらない屈強なファイターとして戦線を盛り上げている。

 

恵まれた体格を生かした攻撃

2人の最大の特徴はパワフルな攻撃力だろう。ともに170cmを超える長身で、ラリー中には重厚感たっぷりのスマッシュを何発も打ち込んでくる。相手にとってとくにやっかいなのが、スマッシュの高低差の使い分けだ。

以前、引退した女子のトップ選手に、“レシーブ”に関する話を聞いたことがある。その元選手によると、たとえ男子が打つスマッシュでも、ただ“速い球”をレシーブするのは案外難しくはないそうだ。しかし、女子選手はここに高低差がつくと、対応がしづらくなるという。なぜなら、普段なら体正面に向かってくるシャトルがその一歩手前に突き刺さってくるためで、その角度に対応しようと思って一歩前で構えれば、今度は顔やボディをめがけて直線的に強烈なスマッシュが向かってくる。ジャンピングスマッシュが当たり前の男子選手とは違い、女子選手にとっては角度がついたスマッシュに慣れていない。世界トップレベルの試合になると、この反応がどうしても遅くなるというのだ。

リターユール/ペデルセンのスマッシュは、ただでさえ重くて速いが、ここに角度がつけられると、そう簡単にレシーブができなくなる。アジア選手が世界ランク上位を占めるなかで、デンマークペアが孤軍奮闘できるのは、こういった理由があるのだ。

 

加えて、リターユールが左利きという利点もある。右利き同士のペアが主流のバドミントンにおいては、左右ペアの攻撃は普段と違う感覚でレシーブをしなければならない。例えば、相手のバックハンド側(利き腕とは逆)にレシーブをして追い込もうとしても、それが左利き選手だった場合はフォア側(利き腕)になるため、強い球が返ってくるシーンがよくある。右利きペアの戦術と左右ペアの戦術にも違いがあるため、この術中にはまると、レシーバーが立て直すのに時間もかかってしまう。デンマークペアは、相手レシーバーが苦手とする要素をたくさん持ちあわせており、それを巧みに使い分ける技術もある。

 

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投稿日:2016/08/18
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