【世界ランキング情報】サイナ&マリーンが上位をキープ! 女子シングルス

5月から始まったリオ・デ・ジャネイロ五輪の出場権争いは、五輪レースの3分の1が終了した。5月以降に行なわれたSSはオーストラリアOP(5月)、インドネシアOP(6月)、ヨネックスOPジャパン(以下YOJ)、韓国OP(ともに9月)の4大会。8月の世界選手権を加えると、5つのビッグトーナメントが消化されたことになる。

 

9月23日に発表された世界ランキングは、直近に開催された韓国OPのポイントが反映されている。ここでは、5月から9月末現在の女子シングルスの状況を振り返ろう。

 

安定感が増すサイナ・ネワールとキャロリーナ・マリーン

 

女子シングルスで現在1位に君臨するのはサイナ・ネワール(インド)だ。今年の世界選手権2位の実績以外にも、全英OP準優勝(3月)、インドOP優勝(4月)など、しっかり決勝の舞台に立って高ポイントを獲得。ねばり強いラリーを武器に相手のスタミナを奪いながら、勝負所で果敢に攻め込みポイントを重ねている。最近は単純なミスが減り、プレーに安定感が出てきたのが世界トップに立つ理由だろう。

 

同じく世界ランク2位のキャロリーナ・マリーン(スペイン)も持ち味のスピードとスタミナに加え、ミスの少なさが目立っている。今年に入って個人戦の国際トーナメント9大会に出場しているが、インドネシアOP、YOJ以外の7大会すべてで準決勝以上まで勝ち進んだ。8月の世界選手権では優勝を果たしたが、5試合中3試合がファイナル勝負の激戦。どの試合も1時間以上を越す勝負を勝ち抜いての2連覇だけに、心技体の強さが際立っている。

世界ランク1位のサイナ・ネワール(左)と世界選手権2連覇のキャロリーナ・マリーン
世界ランク1位のサイナ・ネワール(左)と世界選手権2連覇のキャロリーナ・マリーン

 

 

中国勢は、五輪レースが始まってから上昇気流に乗り切れていないのが現状だ。とくにロンドン五輪金メダルの李雪芮(中国)は、昨年のデンマークOP(10月)以来、表彰台の一番高いところには立っていない。王適嫻はYOJ、韓国OPで2大会連続4強、王儀涵も韓国OP2位の成績は残しているものの、最後のところで勝ちきれない戦いが続いている。3選手ともにTOP10をキープしているが、このままの状況が続くことは中国にとってよい傾向とはいえない。他国の選手には「中国選手が絶対的な存在ではない」という考えが浸透しており、昔ほどプレッシャーを感じずに戦うことができている。これが“中国王朝”の衰退につながっているのは確かで、これからの巻き返しを図るには、以前のような強い勝ち方で白星を積み重ねていくことが必要となりそうだ。

左から李雪芮、王適嫻、王儀涵
左から李雪芮、王適嫻、王儀涵

 

 

このほかでは、韓国の成池鉉が地元の韓国OPで優勝、世界選手権3位など好調を持続している。また、戴資穎(台湾)もYOJ3位、世界選手権&韓国OP8強に入るなど大崩れはしていない。こちらも上位をがっちりキープしている。

韓国OP優勝の成池鉉(左)と台湾のエース戴資穎
韓国OP優勝の成池鉉(左)と台湾のエース戴資穎

 

上位十傑の厚い壁

五輪レースが始まった5月7日付の世界ランクと9月23日の世界ランクを見比べると(下表)、上位16強の顔ぶれはほとんど変わっていない。とくに上位十傑は手堅くポイントを稼いでおり、10位の山口茜と11位の孫瑜(中国)には5000Pの差が生まれている。11位以下の選手がTOP10に入るには、少なくともSSで連続して4強以上に入ることが必要。大崩れしない上位陣の間隙を突いて、なんとか高ポイントを獲得していきたいところだ。

世界ランク女子

 

日本選手もヨネックスOPで決勝を争った奥原希望、山口茜が奮闘しており、このままの状態を維持すれば、いち早く五輪レースの接戦を抜け出す可能性も少なくはない。ただし、日本は10月末から2月中旬にかけて日本リーグや全日本総合など、国内の大事な試合が控えている。2人を追う髙橋沙也加、三谷美菜津、佐藤冴香、橋本由衣の4人も自チームの主軸となる選手だけに、海外と国内の両方で結果を出さなければならない。五輪レースは、来年の4月いっぱいまで続いていく。選手それぞれが悲願を達成するには、この過酷な道を走り抜ける体力、精神力、そして相当な覚悟が求められている。

日本でSS優勝を飾った奥原希望(左)、2位の山口茜
日本でSS優勝を飾った奥原希望(左)、2位の山口茜
現在世界ランク15位の髙橋沙也加(左)と同ランク18位の三谷美菜津
現在世界ランク15位の髙橋沙也加(左)と同ランク18位の三谷美菜津
投稿日:2015/09/27
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