インドネシア旋風が吹き荒れる! ヨネックスOPジャパン〜playback ’90S①

来週の9月8日(火)から13日(日)までヨネックスOPジャパン2015が開催される。ここでは、ヨネックスOPジャパンをさらに楽しむために、80年代、90年代、00年代の3つに分けて、当時活躍した強豪選手や大会の様子を振り返る。

 

3回目となる今回は、92年バルセロナ五輪で正式種目になるなど、バドミントンの歴史が大きく動き始めた90年代にクローズアップ。振り返るのは1995年に開催された第14回大会だ。

 

バドミントン・マガジン95年3月号。表紙はハリアント・アルビ
バドミントン・マガジン95年3月号。表紙は14回大会を制したハリアント・アルビ

 

【第14回大会】1995年/東京・駒沢オリンピック公園総合運動場体育館

 

80年代に築いた中国の黄金時代に陰りが見え始め、それと同時に活性化してきたのがバドミントンを国技とするインドネシアだった。90年代前半は男子シングルスでアーディー・B・ウィラナタハリアント・アルビの2強が活躍し、女子はスシ・サンティミア・アウディナ(のちにオランダに移住)などが主要トーナメントを賑わした。

シングルスだけではなく、ダブルスでも男子ダブルスのスパクジャ/マイナキーなどが王者の地位を確立し、女子ダブルスではフィナルシ/タンビエリサ/レシアナなどが上位で活躍していた。

 

そんなインドネシア王朝時代を色濃く映し出したのが、95年の第14回大会だろう。この年は男子シングルス、女子シングルス、男子ダブルスの3種目を制し、女子・混合ダブルスでも決勝まで勝ち上がっている。90年代のヨネックスOPジャパンは毎年1月に開催されていたが、小雪舞う真冬の東京には、インドネシアの熱き旋風が吹き荒れていた。

 

 

驚異的なプレーでファンを魅了したインドネシア選手たち

 

群雄割拠といわれた男子シングルス。この激戦を制したのはアルビだった。2年前の第12回大会では日本初登場で初優勝を飾り、その後は全英オープン、アジア大会などで頂点に立ちスター選手の仲間入りを果たしていた。

この大会でも、ともにインドネシア王朝の主軸を担ったアーディーを準決勝で下すと、決勝は同郷のジョコ・スプリアントと対戦し、ストレートで快勝。驚異的なジャンピングスマッシュで颯爽(さっそう)と頂点に立つアルビは、まさに全盛期を迎えたインドネシアの象徴ともいえる存在だった。

 

強敵との連戦に打ち勝ち2度目のV(95年3月号。バドマガでは名前の表記をハリアントに変更しています)
強敵との連戦に打ち勝ち2度目のV(1995年3月号より。バドマガでは名前の表記をハリアントに変更しています)

 

 

女子シングルスは、92年バルセロナ五輪金メダリストの「女王」スシ・スサンティが、2年連続Vを達成。しなやかなフォームから放たれる変幻自在のショットに加え、正確なハイクリアーとネット際のねばり強さは群を抜いていた。第1シードのスシは他を圧倒して勝利を重ね、決勝では韓国のエース・方銖賢(バン・スーヒョン・バルセロナ五輪銀メダリスト)との接戦を制し、3度目の優勝をつかんでいる。

 

日本での大会前に行なわれた韓国OPでも優勝していたスシ。無類の強さを発揮していた
日本での大会前に行なわれた韓国OPでも優勝していたスシ。無類の強さを発揮していた(1995年3月号より)

 

終わってみれば盤石の優勝となったが、スシには日本で負けられない理由があった。この優勝の3カ月前に行なわれた広島アジア大会で、スシはダントツの優勝候補にも関わらず準決勝で敗れていたのだ。このとき苦杯を喫したのが、日本のトップシングルスだった水井妃佐子。インドネシアにとっては他の競技を通じても「金メダル」を獲得できるのがバドミントンであり、スシは国民の期待と責任を一身に背負っての勝負だったのだ。

3カ月前の、まさかの敗戦ーー。その苦い思い出を払拭するには、ヨネックスOPジャパンでの優勝だったに違いない。そして、きっちり結果を残していくあたりが、この時代を女王として君臨し続けた所以(ゆえん)だろう。

 

日本は暗いトンネルを抜けられず

 

インドネシアが活躍する一方、ホームで受けて立った日本は8強の壁に泣き入賞者ゼロ。苦しい結果に終わった。注目は広島アジア大会銀メダルの水井だったが、8強入りをかけて臨んだ試合でインドネシアの新生ミア・アウディナと対戦。15歳ながら母国の次期メダル候補というホープを前に、水井はまったくいいところなく敗れてしまう。

男子シングルスのエースだった町田文彦も、2回戦でオランダ選手に敗戦。ある日本選手が「世界トップの選手とやると、競ることはできても最後の点がとれない」と嘆くほど、世界との埋められない差を痛感する大会となった。

 

第14回大会 上位結果

【男子シングルス】

優 勝:ハリアント・アルビ(インドネシア)

準優勝:ジョコ・スプリアント(インドネシア)

3 位:アーディー・B・ウィラナタ(インドネシア)

3 位:アラン・ブディクスマ(インドネシア)

 

【女子シングルス】

優 勝:スシ・スサンティ(インドネシア)

準優勝:方銖賢(韓国)

3 位:葉釗穎(中国)

3 位:林小青(スウェーデン)

 

【男子ダブルス】

優 勝:リッキー・スパクジャ&レキシー・マイナキー(インドネシア)

準優勝:バンバン・スプリアント&ルディ・グナワン(インドネシア)

3 位:クリス・ハント&サイモン・アーチャー(イングランド)

3 位:チー・スーンキット&ヤップ・キムホック(マレーシア)

 

【女子ダブルス】

優 勝:葛菲&顧俊(中国)

準優勝:フィナルシ&リリ・タンビ(インドネシア)

3 位:ジョリー・ブラドペリー&ジョアンヌ・ライト(イングランド)

3 位:張瑾&彭新勇(中国)

 

【女子ダブルス】

優 勝:トーマス・ルンド&マルレーヌ・トムセン(デンマーク)

準優勝:トリクス・ヘリアント&ミナルティ・ティムール(インドネシア)

3 位:金東文&金信英(韓国)

3 位:姜京珍&張恵玉(韓国)

 

 

 

 


投稿日:2015/09/04
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