[連載]My Grip ~グリップへのこだわり~ Vol.1 桃田賢斗(NTT東日本)

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バドミントンにおいて、ラケットはプレーヤーの「手」と同じ役割を果たすといっていい。
そのラケットのなかでも「グリップ」は、選手によってテープの素材や巻き方が異なり、
独自性が出やすい部分だ。ここでは、トップ選手のグリップへの「こだわり」に迫る。

[連載] Vol.1 桃田賢斗(NTT東日本)

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ももた・けんと/1994年9月1日生まれ、香川県出身。
三豊ジュニア―富岡第一中―富岡高―NTT東日本。
175㎝70㎏、左利き、A型。
ジュニア時代から数々の全国タイトルを獲得し、 順調に成長を遂げている日本の若きエース。 2015年4月のシンガポールOPでは、 日本男子シングルス初となるスーパーシリーズ優勝を、 大会史上最年少で飾った。

 

「細いほうが、うまく感覚が伝わる気がする」

――グリップへのこだわりを教えてください。

グリップは細いほうが好きです。なので、もともと貼ってあるものを取ったあと、薄くアンダーラップを巻いて、いまはタオルグリップを使っています。細目に巻くので、テープは結構余りますね。みんなと同じような巻き方だと思いますが、細いほうが、力が入りやすいというか、うまく感覚が伝わる気がするんです。

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桃田選手使用のラケットのグリップ(VOLTRIC Z-FORCEⅡ)

 

――なぜタオルグリップなのですか?

絶対にタオルがいいわけではありません。新しいラケットを使ってみたときに、このラケットはタオルがいいな、このラケットはウエットがいいなと感じたりします。前のラケット(アークセイバー Z-スラッシュ)のときは、両方使っていたんです。ただ自分的には、ウエットのほうがちょっと滑る感覚はあります。タオルのほうがしっかり握れる感じはありますね。

 

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上写真を別角度から。グリップテープの端が不揃いになっている

――グリップの端の部分が不規則になっていますが?

上までしっかり巻くと、なんか違うんですよね。親指をここに引っかけるわけではないですし、指が触れることはないのですが…なんとなくです。適当に切って、巻いて、こうなりましたという感じです(笑)。

 

――細めが好きということは、グリップ本来の8角形の輪郭を重視しているのですか?

考えたことないですね…。とにかく細めにしているだけです。

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グリップエンドには膨らみを持たせている

 

――グリップエンドが膨らんでいますが?

この膨らみはアンダーラップを何重にも巻いて作るのではなく、タオルグリップで作るんです。最初、2周くらい同じところを重ねてから巻いていきます。この膨らみは欲しいですね。野球のバットみたいな感覚です。振ったときに、力がここに留まるようなイメージ。グリップエンドをこうしている人はそういう意図だと思います。

 

――グリップテープの張り替えの頻度は?

調子がよかったら結構長く使います。でも納得しなかったら1日、2日で変えてしまうこともあります(苦笑)。使う色は、基本的に黄色か赤です。これも気分で変えています。

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――グリップへの感覚はやはり大切ですか?

そうですね。ほかの人が同じようにグリップテープを巻いていても、持ったら自分のラケットだとわかると思います。

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(構成/バドミントン・マガジン)

投稿日:2015/05/10
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