【ジャパンOP】「気持ちが強いほうが勝つと思っていた」(桃田)<選手コメント−1>

9月16日に開催されたダイハツ・ヨネックスジャパンOP(東京・武蔵野の森総合スポーツプラザ/Super750)は、最終日に各種目決勝が行なわれた。ここでは、男子シングルス優勝の桃田賢斗のコメントを紹介しよう(会見と囲み取材のものを再構成したものです)。

<ダイジェスト>

初日の結果は こちら/2日目の結果は こちら

3日目の結果 シングルスダブルス

4日目の結果 シングルスダブルス

5日目の結果 シングルスダブルス

6日目の結果 シングルスダブルス

※コメント一覧は最下部にあります

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◇会見
――優勝が決まった瞬間、コートにしゃがみ込んだが。
「今日の試合は、相手もこれまで4試合、紙一重の試合をしてきて、お互いに疲労がピークの中での5試合目で、本当に気持ちが強いほうが勝つと思っていました。なので、相手より足をしっかり動かして、1球でも相手のコートに返そうという気持ちでコートに入りました。後半はすごくきつくて、自分のなかでも、『あと何点、あと何点』というのを数えていて、やっと終わったというのと優勝したという、うれしさと達成感で、最後はしゃがみこみました」
――2年後のオリンピック会場で優勝したことについて。
「この会場で優勝できたというのは、オリンピックに向けてすごく自信になりました。プレーしていて、すごくいい感触でプレーができましたし、すごく相性のいい体育館だと思いました。でも、また来週に試合があるので、先を見ずに、いまできることを精いっぱい、ぶつけていきたいと思います」
――今日は満員のお客さんだったが。
「会場まで足を運んでいただいて、自分を応援してくださって、すごくきついときも力になりましたし、周りの方のおかげで、今日こうして試合ができて、優勝することができたので、感謝したいと思います」
――3年ぶりのこの大会。この大会に向けた熱い気持ちは。
「(2017年に戦列に)復帰して、海外のトーナメントはたくさん出させていただいていたんですけど、日本で開催される国際大会というのは、自分の中でも特別な気持ちがありますし、自分の成長した姿を見てもらえる大きなチャンスだと思っていました。今日、優勝することができて、結果としてよかったんですけど、自分のプレーを見て、よかったなと思ってもらえたと思うので、すごくうれしいです」
――会場は「シャトルが飛ばない」という声が多かったが。
「5日間試合をして、海外のトーナメントではありえないくらい飛ばなかったというのが印象的でした。でも日本人はコントロールがすごく得意だと思うので、飛ばないシャトルでもしっかり四隅にコントロールできれば、日本人のほうが有利だと思います。逆に、大きな展開にもっていきながら、ここぞというときでは繊細な技術を出せるので、海外の選手よりは日本の選手のほうが有利に試合を運べるのではないかと思っています」
――攻撃をテーマに置くと話していたが、それに対する評価は。
「試合をしていて、自分が研究されているというのもすごくわかりました。自分がディフェンス主体から相手を崩すというのが相手にわかっていて、自分がアタックするまで打ってこない選手もたくさんいたので。でもそういったときに、今日もそうですけど、長いラリーになったケースで、しっかりと体を入れてライン際にスマッシュを打てるようになったのは、自分にとってすごく成長した部分だと思っています。
最近はウエートトレーニングも重点的に取り組んでいて、(今日も)飛ばないシャトルでもしっかりと、上からのショットが何回か決まっていました。スマッシュのスピードからしても、トレーニングの成果が出ているんじゃないかなと思います」

ジャパンOP2018
決勝の入場シーン。「あそこから緊張しました」と笑って振り返った

◇囲み取材
――国際大会に復帰してから世界選手権、アジア選手権を優勝しているが、今日の優勝の喜びは。
「正直、世界選手権よりもこの大会で優勝したいという気持ちが強かったです。世界選手権のときは本当に淡々とプレーしながら優勝したという感じだったんですけど、今日は本当に勝ちが見えてきたくらいで、サービスを打つときに手が震えていたり、それくらい勝ちたいという強い気持ちがありました。本当にいろいろな方に支えられて、今日こうして試合することができたので、周りの方に感謝したいなと思います。
――勝ちが見えてきて「あと何点」と意識していたのも、いつもより緊張があったから?
「出だしからずっと力が入っていたぶん、プレー内容は自分的には満足するプレーはできなかったんですけど、緊張していたぶんいつも以上に疲れました。メンタル的にきつかったです」
――相手の体力を削るような長いラリーもあったように見られたが。
「打てる球は打っていこうと思ったんですけど、相手の(こちらの)タイミングを外してくるショットがすごくうまかったので、たぶんあの場面で攻撃したら、逆に走らされていたと思います。ラリーを長くしたというよりは、自然とお互いにタイミングを外し合っていて長くなったのかなと」
――「攻めるところとつなぐところのバランス」ということを大会中もいっていたが。
「アジア大会のときは攻めてくる相手に対して、ずっと後手後手のレシーブ主体のゲームが多かったんですけど、今回の(大会前の)合宿は攻撃面を重点的に取り組んでいて、昨日もそうですけど、長いラリーになったときに、自分の決め球をしっかりとライン際に何本か打てたので、そこは成長した部分かなと思います。
――アジア大会の個人戦で負けたときは「消極的になった」といっていたが、どのようにメンタル面をリカバーしたのか。
「スタミナがついて、ラリーで勝てるぶん、長くラリーをしよう、とりあえずつなごうという意識がアジア大会のときは強すぎた結果、たぶん後手後手になってしまいました。今回はそうではなくて、しっかり攻めて、攻めてダメだったら次考えようとしていたのがよかったと思います」
――今日の会場の雰囲気を感じて、日本でのバドミントン人気の高まりは感じたか。
「そうですね。一番感じたのは、(決勝前の)入場するところ。ジャパンオープンってこんなのだっけと(笑)。あそこから緊張しました」
――これまで「バドミントンがもっと日本でもメジャーになるように」といっていたが。
「バドミントンに引き付けたいという気持ちはいまも変わらないです。ジュニアの選手たち、いまはSNSだったりYouTubeだったりで、トッププレーヤーのかっこいいプレーしか見ていないと思うんですけど、この大会を見に来てくださって、本当に必死で、1球1球に食らいついているところを見てもらえたと思います。国内で開催される試合には意義があると思うので、今日優勝できてすごくよかったです」
――準決勝、決勝は同い年の選手だった。世代交代の印象もあるが。
「自分ではあまり林丹(中国)選手だったり、リー・チョンウェイ(マレーシア)選手だったり、『壁を越えたぞ』という気持ちにはまだなっていません。海外のトーナメントで林丹選手、リー・チョンウェイ選手と試合をしたときは、(中国、マレーシアとは)違う国での試合なのに“アウェー感”を感じるくらい応援される選手なので、自分もそういった選手に少しでも近づけるように、まだまだだと思うので、もっともっとレベルアップしていきたいです」

<選手コメント>

初日

2日目−1

3日目−1

4日目−1

5日目−1/2

6日目−1

取材・構成/バドミントン・マガジン編集部

投稿日:2018/09/17

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