【選手情報】「リオで持てる力を出し切った」早川賢一<引退会見>

2月12日に行なわれたS/Jリーグ最終戦(東京・代々木第二体育館)後に、リオ五輪男子ダブルス8強、世界選手権銅メダルを獲得した早川賢一(日本ユニシス)の引退会見が開かれた。

早川賢一

早川は昨年のリオ五輪後に開催されたヨネックスOPジャパン(9月・東京体育館)2回戦で敗れたのを最後に、コートから離れていた。その後、早川は日本代表を辞退し、S/Jリーグに参戦するチームや海外遠征に臨む選手のコーチに専念。今年2月5日のS/Jリーグさいたま大会では、遠藤大由とのペアで出場し、自身のラストマッチで見事勝利をおさめ有終の美を飾っている。

早川はこれまで、リオ五輪での活躍のほか、全英OP準優勝3回、15年世界選手権銅メダル、スーパーシリーズでの上位入賞など、男子ダブルスの第一人者として数多くの好成績を残してきた。14年トマス杯優勝時には、主将として日本男子初の世界一に貢献。日本ユニシスでは、旧日本リーグ1部優勝やMVPを獲得するなど、国内外でジュニア時代から活躍している。

ここでは、早川の引退会見のコメントを紹介しよう。

 

――引退の経緯について。

「引退を決めたのは自分の目標としていたリオ五輪で、持てる力をすべて出しきったと思ったから。これ以上、自分が頑張ることができないと思ってしまったので、これを機に選手育成を頑張っていきたいと、引退を決めました」

 

――コーチになってからの目標。

「今年から日本B代表のダブルスコーチとして、若手の育成に携わっていきますが、自分が経験してきた世界のバドミントンの技術などを、若い世代に伝えられるようにしたいです。また、自分たちが残してきた成績以上の結果を、若い選手には出してもらいたいと思っています」

 

――これまでの中で一番印象に残っている試合。

「やっぱりバドミントンをやるうえで、全日本総合を一番に優勝したいと思い続けていました。初優勝したとき(2012年)の平田典靖/橋本博且ペアとの試合は、いまでもよかった試合だったなと思います。海外でいうなら、(2014年)トマス杯(決勝戦)で、マレーシアの第1ダブルスに勝ったのが印象に残っています」

 

――ペアの遠藤選手には、どういう言葉で引退を伝えたのか

「僕が遠藤にいったのは、五輪が終わってからです。『(五輪で)もう燃え尽きたよ』と話したら、僕たちの目標がリオ五輪だったこともあって『一区切りだな』といってくれました」

 

――引退はリオの前に話したというわけではない

「引退の話はリオの前は全然話をしていません。リオはメダル取ることだけを話していました。引退については、オリンピックが終わってから話しています」

 

――リオ五輪ではメダルが取れる可能性も十分にあった。ケガだったとはいえ、続けようと思うことはなかったのか

「僕のなかでは、五輪前までは人生をかけたぐらい練習を頑張ったので、それをあと4年と考えたとき、さすがに頑張れないと思いました。だから、ここでやめよう、と思ったんです」

 

――B代表のコーチをやっていくうえで、モデルになるような指導者、理想像など

「やっぱり現在A代表コーチを務めているリオニー・マイナキーコーチに、本当に世界のレベルや技術を教えてもらったので、ああいう熱いコーチになれたらいいかなと思います」

 

――最後に、いまの若い世代に一番伝えたいこと、教えていきたいこと

「いま自分が感じていることは、“体の強さ”が若い選手に足りないというのを強く感じています。技術は世界でもトップレベルだと思うので、スピードだったり、体力面だったりというのを鍛えていければと思います」

投稿日:2017/02/16
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