【大会展望】誰が勝っても総合初制覇!新王者に輝くのは!?<男子シングルス>

11月29日(火)から、バドミントンの日本一を決める第70回全日本総合選手権が、東京・代々木第2体育館で開催される。ここでは『バドミントン・マガジン』12月号で掲載した全日本総合の展望記事を、種目別に分けて特別紹介する。

 

第2回/男子シングルス

A代表を中心に激しいバトルが展開!

 

これまで総合の主役を飾ったエースたちがコートを離れ、男子シングルスは新たな時代に突入する。今大会は過去優勝歴のある選手は不在となり、誰が勝っても初優勝という状況。ファイナリスト2名は日本A代表に自動的に選出されるが、それよりも「日本一」という最高の名誉こそ、選手にとっては喉から手が出るほどほしいタイトルに違いない。

坂井一将
坂井一将

現在の日本代表のなかで総合、ランキングサーキット(RC)、全日本社会人の国内個人戦タイトルホルダーは3人。全日本社会人3連覇中の坂井一将、10、11年RC優勝の武下利一、そして今年のRC優勝の中央大・五十嵐優だ。武下、坂井は16年トマス杯出場やスーパーシリーズ(SS)に参戦しており、海外経験も豊富になってきた。武下、坂井ともに一発の力はあるが、最近はそこに導くための戦術にも磨きがかけられている。武下27歳、坂井26歳の同級生の二人は、心身ともに脂に乗った時期。それだけにライバルを抑え、なんとしても日本一の座をつかみとりたい。

 

五十嵐優大学3年生の五十嵐は、今年その才能を大きく開花させて急浮上した成長株。派手さはないが、ねばり強くラリーを構築する。最近は海外を回ることで勝利への意欲も高まり、タフさもついた。中央大の先輩で、昨年4強の西本拳太も復活に向けて準備を整えている。二人がねらうのは18年ぶりの大学生チャンピオン。A代表の厚き壁を打ち砕き、若き力をアピールするか。

社会人での全国タイトルこそないが、総合での上位成績が多い上田拓馬も侮れない。佐々木翔が引退し、ライバルは年下の世代となったが、プレーの安定感では上田に分がある。勝負所での強さやベテランらしい駆け引きにも注目だ。 ここに続くのが今年の社会人準優勝の下農走、同4強の常山幹太。お互い社会人2年目だが、そろそろ名刺代わりにもなる大きな結果を手にしたいところ。チームの同期でもあり、16年RC準優勝の山口容正も上位候補。ナショナルB代表の小野寺裕介も、虎視眈々と上位をねらう。

 

奈良岡功大
奈良岡功大

この種目のもう一つの目玉となるのは、中学3年生の奈良岡功大。2年前、中学1年生で総合出場を果たした少年も、いまや立派な対抗馬の一人に成長。今年は海外を転戦することで、メンタル面が強化された。高い能力に加え、大人相手にも物怖じしない強さは、今年で最後となる〝中学生〞での記録更新に一役買ってくれるはず。ねらうはもちろん上位進出。中学生最後の総合で、会場を沸かすヒーローになるか、奈良岡からも目が離せない。

 

 

 

◆過去5大会のファイナリスト

2011年 優勝◎田児賢一(NTT東日本)2位○佐々木翔(トナミ運輸)

2012年 優勝◎田児賢一 2位○佐々木翔

2013年 優勝◎田児賢一 2位○上田拓馬(日本ユニシス)

2014年 優勝◎佐々木翔 2位○桃田賢斗(NTT東日本)

2015年 優勝◎桃田賢斗 2位○佐々木翔

 

文/バドミントン・マガジン編集部(本稿はバド×スピ!に掲載するにあたり、一部加筆・修正をしています)

投稿日:2016/11/28
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