【SS情報】ベテラン選手が5大会制覇! 男子シングルス

3月初旬の全英OPから始まった今年のスーパーシリーズ(全12戦+SSファイナル)は、6月第2週のオーストラリアOPを終え、シリーズの半分が終了した。ここではスーパーシリーズを中心に、各種目の上半期成績を振り返ろう。第1弾は男子シングルスの状況を紹介する。

男子シングルス

 

ベテラン選手が5大会を制す!

林丹(左)とリー・チョンウェイ
林丹(左)とリー・チョンウェイ

今年は五輪レースの影響もあってか、SS6大会の男子シングルス上位陣には様々な顔ぶれが並んだ。優勝者に目を向けると、林丹(中国)、リー・チョンウェイ(マレーシア・2大会優勝)と常連組に加え、懐かしい選手も頂点に立った。それがシンガポールOPを制した、ソニー・ドゥイ・クンチョロ(インドネシア)だ。

2004年アテネ五輪・銅メダリストでもあるソニーは、現在インドネシア代表チームから離れ、地元クラブチームで練習に励み国際大会に出場していた。世界ランキング下位のため、リオ五輪の出場権争いには直接関係していたわけではないが、ノンプレッシャーが功を奏し、並み居るライバルを退けて頂点に立った。ソニーのSS優勝は実に6年ぶり。30歳を超えるベテランが、試合巧者ぶりを発揮して久々の歓喜をつかんでいる。

また、オーストラリアOP優勝のH・K・ヴィテンフス(デンマーク)も、今年1月に30歳を迎えており、林丹(32歳)、チョンウェイ(33歳)、そしてソニーと、6大会中5大会はベテランプレーヤーがSSタイトルを手にしている。

今年32歳を迎えるソニー・ドゥイ・クンチョロ(インドネシア)
今年32歳を迎えるソニー・ドゥイ・クンチョロ(インドネシア)
H・K・ヴィテンフスはSS初制覇
H・K・ヴィテンフスはSS初制覇

 

若手選手が一気に台頭

ベテランが奮起する一方、若手選手のSS優勝はインドOPを制した桃田賢斗(21歳)のみ。しかし、準優勝やベスト4を見ると、20代前半の選手の名前が挙がっている。今年のSSで決勝まで勝ち上がったのは田厚威(中国・24歳)、ビクター・アクセルセン(デンマーク・22歳)、全奕陳(韓国・21歳)ら。また、ベスト4にはインドネシアのヨナタン・クリスティやアンソニー・ギンティン、I・M・ムストファなどが入っている。同じく4強経験者の伍家朗(香港)、薛松(中国)も同世代のプレーヤーで、優勝こそ無いものの、リオ五輪後は彼らが主役となってスーパーシリーズを牽引していくことになりそうだ。

オーストラリアOPで準優勝に輝いた全奕陳
オーストラリアOPで準優勝に輝いた全奕陳

 

若手、ベテランが活躍するなかで、いま脂に乗っているはずの20代後半の選手は苦戦を強いられている。諶龍(中国)、ヤン・O・ヨルゲンセン(デンマーク)、孫完虎(韓国)も、上位には進出しているが優勝までに手が届いていない。とくに昨年から世界ランキング1位をキープしていた諶龍(現在2位)は、デンマークOP優勝以来(10月)、タイトルから遠ざかっている。昨年の世界選手権優勝を果たした実力はもちろん健在だが、年間を通してみると最後まで勝ち切れないメンタル面の弱さが目立っている印象。リオ五輪では林丹やリー・チョンウェイの偉大なレジェンドを乗り越え、覚醒のきっかけをつかみたいところだ。

苦戦が続く諶龍。トマス杯でも不調に終わった
苦戦が続く諶龍。トマス杯でも不調に終わった
韓国のエースである孫完虎だが、最後の決めてに欠く印象が強い
韓国のエースである孫完虎も最後の決め手に欠くことが多い
投稿日:2016/06/24

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